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サイレントベビー :手のかからない子っていい子なの?
以前、小学校で女生徒が同級生の女生徒を切りつけた事件がありました。その時の加害者のお母さんの話を耳にしたことがありますが、「あの子は、手のかからない子だった」と話していました。手のかからない子、ではなく手をかけないで育てた子だった、とはいえないでしょうか?
赤ちゃんが成長する時、身体だけではなく情緒面も大変重要です。情緒を育てることは、赤ちゃんが自分の欲求を、泣くということで出していることに、しっかり応えていくということです。
「お腹がすいた」と泣いていれば、「お腹がすいたのね、今すぐおっぱいあげるからね」「たくさん飲んでね」と話しかけながら世話をします。「その前におむつ換えましょうね」などと話します。そうすると赤ちゃんの反応も変化します。落ち着いた表情になったり、泣き止んだりします。すると、お母さんの方も、自分のしていることが赤ちゃんの求めに応じていることだと感じることができ、お母さんの自信にもつながるのです。
どんなに疲れていても、夜中眠くても、赤ちゃんが何を求めているのかがわかるようになると身体が動き、応えようとします。そうやって、母と子の関係ができてきます。気持ちが通じ合うコミュニケーションだと言えます。
うちの子、サイレントベビー かも
母と子の関係は、生まれたときから、いや、お腹の中にいる時から始まっています。赤ちゃんは、泣いて自分の意思を伝えますが、そのまま長時間放っておかれたり、何もしてくれなかったり、何も話かけない状態が続くと、泣いて訴えることをしなくなってしまいます。すると当然、あやしても笑わない子になります。
通常は、お母さんの顔を覚えて、うれしいときなどに笑いかけてきます。でも、お母さんが無表情だと、笑うことがどういうことなのかもわかりませんね。また、笑う時には、手足をばたつかせて表現したりします。身体をだんだん自由に動かせることができるようになってきますが、それは脳への刺激にもなっています。サイレントベビーは、この動きが少ないことも特徴です。
赤ちゃんは、話しかけると、相手の目をみてじっと見つめ返します。サイレントベビーは、目を合わせない、話しかけても反応がないなどの特徴があります。
●執筆者プロフィール:南部洋子(なんぶようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師 株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
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