かつてほど多くはないが少なくもない、 結核感染と治療法 のいま

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かつてほど多くはないが少なくもない、 結核感染と治療法 のいま

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結核感染と治療法 :予防するには?

最近の厚生労働省の報告によると、2012年は2万9317件の結核発生届(患者、無症状病原体保有者、疑似症患者)が出されているということです。

 

結核はもはや昔の病気だと思っている人が多く、症状が出ても風邪と間違えて治療が遅れてしまうことがあります。現在は、生後1歳までのBCGワクチン接種(牛型結核菌を弱めた生ワクチンを摂取することで体内に免疫を作る)により、小児の結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度罹患リスクを減らすことができると報告されています。

 

 結核感染と治療法 :肺結核はどうやって発見する?

 

日本でもっとも罹患率の高い「肺結核」。早期発見には、次のような症状に注意が必要です。おかしいな、と思ったら早めに医療機関で検査を受けましょう。

 

・咳(せき)が2週間以上続く
・痰(たん)がでる(痰に血が混ざる)
・体がだるい
・微熱が続く

 

結核の疑いがあった場合は、次の検査を行います。

 

ツベルクリン反応とQFT検査

結核菌感染の有無を知る一つの検査法です。ただし反応を見せても、結核菌なのか類似の非結核性抗酸菌なのか、BCG接種の影響であるかの区別は、ツベルクリン反応だけでは判断できません。

そこでより精度の高い検査として、「クオンティフェロン®TB-G(QFT)検査」があり、平成18年1月1日から保険適用されています。

 

X線撮影

X線撮影(レントゲン)では、白黒が反転して映ります。肺は空気が多いためX線を通しやすく全体に明るく(=黒く)映ります。この肺の中に暗く(=白く)映る影があれば、なんらかの異常があると考えられます。

 

喀痰検査

痰(たん)を調べる検査です。痰を顕微鏡で見て細菌を調べたり菌の一部を培養したりして、菌の種類を見極めます。

 

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