子どもが不登校になった! その時、親ができること

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子どもが不登校になった! その時、親ができること

公開日時

不登校の5つのタイプ:不登校の理由とは?

 
不登校の理由は何でしょうか?
文科省では、「不登校の継続理由」別に5つのタイプを示しています。
 

「無気力型(40.8%)」

「無気力でなんとなく」「行こうと思うが、なんとなく不安」などを理由とするタイプ
 

「遊び・非行型(18.2%)」

「行かないことを悪いと思わない」「遊ぶため」などを理由とするタイプ
 

「人間関係型(17.7%)」

「いじめなどの友人関係の悪化」「先生との関係が悪い」などを理由とするタイプ
 

「複合型(12.8%)」

理由をひとつに限定できないタイプ
 

「その他型(8.7%)」

上記4類型に当てはまらないタイプ
 
「遊び・非行型」や「人間関係型」よりも、「無気力型」の多いことがわかります。はっきりとした原因が解りにくい「無気力型」。
わが子がそんな状態になったら、親はどう向き合えばよいのでしょうか。
 
 

親ができること:必要なのは親の変化

 
思い当たる原因が見当たらないのに、子どもが不登校になってしまったら、多くの親は焦りや不安を感じるでしょう。
これは、ひきこもりの子どもを持つ親たちも同様です。
 
ひきこもりに関する調査を行った船越明子兵庫県立大学准教授(看護学)によると、このような経験をした親たちは、次のようなプロセスをたどりながら、子どもと向き合っていくそうです。
 
・何がなんだかわからない
・子どもの状態を知る
・子どものつらさを理解する
・ありのままの子どもを受け入れる
・人生に新しい価値を見出す
 
親がこのように変化する中で、次第に親子の関係も変化し始めます。
 
船越さんによると、親が変わることで、最初は親に心を開かなかった子どもでも、少しずつ変化が見られ、自分のことを話すようになるそうです。
 
つまり、子どもが変化するためには、親自身の変化が必要なのです。
 
 
とはいえ、子どもが少しずつ変化しても、毎日登校できるようになるには時間がかかります。
そのため、親子だけで頑張るのではなく、学校や地域、専門の相談機関のサポートを受けながら、学校生活に慣れるよう見守ることが必要なのは言うまでもありません。
 
 
 
【参考】
・船越明子「ひきこもり-親の歩みと子どもの変化」
・文部科学省http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/06042105/001.htm
・文部科学省「平成26年度学校基本調査」http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2014/12/19/1354124_1_1.pdf
・国立教育研究所「第3章不登校」
https://www.nier.go.jp/shido/centerhp/1syu-kaitei/1syu-kaitei090330/1syu-kaitei.3futoko.pdf
 
<執筆者プロフィール>
山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

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