施設介護をお金 で選んでよかった実例

Mocosuku(もこすく)
  • 施設介護をお金 で選んでよかった実例

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

施設介護を「お金」で選んでよかった実例

公開日時

遠距離の 施設介護をお金 で選んだ結果、親子関係が良好に

介護施設に入居したことで、Cさんと父親の関係は激変しました。
母親を早くに亡くし、長らく父親と2人暮らしでしたが、元来性格が合わないのか、会話を交わすことはほとんどなし。たまに父親が話しかけてくることと言えば、独身のCさんの結婚についてか仕事について。しかもほとんどが否定的な内容で、Cさんも話したくもなく、つい自分の部屋にこもりがちになっていました。

 
そんなある日、Cさんが仕事で深夜に帰宅してみると、父親が階段から落ち、腰の骨を折る大けがを負いました。幸い手術は無事成功しましたが、足が不自由になり、身体の筋肉も衰え、寝たきり状態に。在宅介護か施設介護の選択を迫られました。

 
折り合いが悪い父親とのこともあり、Cさんは迷わず施設介護を選択。ただ、Cさんの収入を考えると、都内近郊の有料老人ホームはとても手が出ず、安価な特別養護老人ホームはもちろん入居待ち。親戚は「少しでも近くで顔を見せてあげた方がいい」と、在宅介護という選択肢も再び持ち上がりましたが、折り合いの悪い父親にやさしく接する自分は想像できませんでした。結果「距離よりもお金」で郊外の安価な施設を選び、入居させるにいたりました。

 

いつ終わるかわからない 介護 では お金 が大事

少しでも家族と頻繁に会えるよう、施設は近くの方がいい、という意見を持つ人が多くいます。

 
Cさんも「父親と仲が良ければ」と前提付きでその意見も納得しますが、特に都内に住む人であれば「距離よりもお金」を取る選択肢も頭に入れておいた方がいい、と強い思いで語ります。

 
「特に施設介護は、毎月決まった支出があり、いつ終わるともしれない介護では出費は少ないに越したことはないと思います。事実、私も少し無理をすれば都内の施設にも入れられましたが、自分だって仕事がいつまで続けられるか分かりませんから。そんな先の見えない状況では、精神的にも行き詰まっていたでしょう。そういう意味でも私の選択肢は、間違っていなかったと確信しています」

 
ただ、Cさんの場合は、父親が入居した施設の環境やスタッフに恵まれていたことが、この選択にとって幸運だったとことも付け加えなくてはなりません。高額だからといって必ずしもいいサービスが受けられる訳ではないですが、安いからこそいい施設を選ぶ努力は、惜しまない方が良さそうです。

 
※この話は実話を元に、脚色を交えて構成しています。実在の人物や場所などとは一切関係ありません

 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【介護】新着記事

どう乗り越える? 「育児」と「介護」の『ダブルケア』

どう乗り越える? 「育児」と「介護」の『ダブルケア』

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 日常的に育児と介護の両方を同時に行う「ダブルケア」。 世界のなかで未曾有の超高齢社会に突入している日本。 加速する少子化に加え、...

2019/05/24 18:30掲載

今から予防できる! 高齢者の体力低下「フレイル」とは

今から予防できる! 高齢者の体力低下「フレイル」とは

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 人類未踏の超高齢社会を迎え、できるだけ介護や医療などの世話にならず「健康で快適な生活」を保つことは重要な課題です。 その指標として注目...

2018/05/20 18:30掲載

30代からは「筋肉の質」 今日からロコモ対策はじめませんか?

30代からは「筋肉の質」 今日からロコモ対策はじめませんか?

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 現在日本は、誰も経験したことがない超高齢社会に突入しています。 誰だって年はとるものです。 ほとんどの人は最...

2018/02/08 18:30掲載

都会で働く人は知っておくべき「遠距離介護」

都会で働く人は知っておくべき「遠距離介護」

執筆:Mocosuku編集部 「実家の親を介護しなければならなくなったら」。 そう不安を抱く都心暮らしの人は多いのではないでしょうか。 特に実家が都心から離れていればいるほど、行き来しながらの介...

2016/10/08 12:00掲載

施設介護を「お金」で選んでよかった実例

施設介護を「お金」で選んでよかった実例

執筆:Mocosuku編集部 施設介護を選ぶ場合、少しでも家から近い施設に入居させた方がいい、と思う人は少なくありません。 しかし、Cさん(仮名)は予算的なこともあり、家から遠方の施設への入居...

2016/02/23 21:30掲載

保育と介護 ! 保育士と介護士が安心して働くためには

保育と介護 ! 保育士と介護士が安心して働くためには

ここでは 保育と介護 についてご紹介します。 働きながら子育てをするために欠かせない「保育施設」、また身体障害や加齢に伴い介護を必要とする人に欠かせないのが「介護サービス」です。いずれも、時代の要請から生活に欠かせない...

2015/10/24 14:06掲載