知ればすぐ行きたくなる、温泉・10の泉質と効能

Mocosuku(もこすく)
  • 知ればすぐ行きたくなる、温泉・10の泉質と効能

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

知ればすぐ行きたくなる、温泉・10の泉質と効能

公開日時

執筆:井上愛子(保健師)
監修:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
 
 
温泉好きで知られる日本人。ある調査では、回答者のおよそ8割が「温泉好き」と答えたそうです。
また、「1年に温泉に行く回数」を聞いたところ、20代の女性が「平均2.73回」と答えた一方で、30代~40代の女性は「平均4.63回」で、30代以降になると、温泉に行く回数が増えることが分かりました。

 

そこで今回は、温泉大好き女子知っておきたい、温泉の効果や泉質についてご紹介します。
 

治療効果がある「療養泉」

 
温泉には、いくつかの種類がありますが、そのうち医学的に治療効果のある温泉水のことを「療養泉」といいます。
療養泉は主成分によって10種類の泉質に分類されており、共通して効果が見られる一般適応症のほかに、泉質別適応症があります。

 
これらの適応症の中には、女性に多いと言われている、関節リウマチや冷え性、便秘、自律神経不安定症、鉄欠乏性貧血なども含まれています。泉質の種類とそれぞれの適応症は以下になります。
 

一般適応症(浴用)

・共通して効果が見られる適応症
筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺による筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、抑うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
 

10の泉質と泉質別適応症

(1)単純温泉
 浴用:自律神経不安定症、不眠症、抑うつ状態
 
(2)塩化物泉
 浴用:きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
 飲用:萎縮性胃炎、便秘
 
(3)炭酸水塩泉
 浴用:きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
 飲用:胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常、高尿酸血症(痛風)
 
(4)硫酸塩泉
 浴用:塩化物泉に同じ
 飲用:胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘
 
(5)二酸化炭素泉
 浴用:きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
 飲用:胃腸機能低下
 
(6)含鉄泉
 飲用:鉄欠乏性貧血
 
(7)酸性泉
 浴用:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常、表皮化膿症
 
(8)含ヨウ素泉
 飲用:高コレステロール血症
 
(9)硫黄泉
 浴用:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型の場合末梢循環障害も)
 飲用:耐糖能異常、高コレステロール血症
 
(10)放射能泉
 浴用:高尿酸血症、関節リウマチ、強直性脊椎炎など
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【温泉】新着記事

お年寄りだけの話じゃない、入浴事故の要因・ヒートショック

お年寄りだけの話じゃない、入浴事故の要因・ヒートショック

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 寒い季節、お風呂や温泉でお湯につかってリラックスしたいですね。 しかし、冬場の入浴には危険が潜んでいます。 冬場に多発する入浴時...

2018/01/13 18:30掲載

温泉が身にしみる季節…。でも「湯あたり」にはご用心!

温泉が身にしみる季節…。でも「湯あたり」にはご用心!

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 温泉にどっぷりつかる幸福感がひときわ恋しい季節となりました。 でも、温泉浴を繰り返すうちに、だるい、寒気がする、頭が重い…などの症状に...

2017/12/15 18:30掲載

『11月26日 = いい風呂の日』  今夜はこんな「ちょい足し」いかが?

『11月26日 = いい風呂の日』 今夜はこんな「ちょい足し」いかが?

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 早起きをして趣味・運動・家事など活動に励むことを「朝活」といい、先ごろブームになりましたね。 一部では、つぎは「夜活」が流行りそう…と...

2017/11/25 18:30掲載

じつはスゴイ「足湯の効果」を詳しく紹介

じつはスゴイ「足湯の効果」を詳しく紹介

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ ここ数年、足湯が人気です。この頃では、高速道路のサービスエリアや道の駅などでも見かける機会が増えてきました。 この足湯、健康面では...

2017/03/11 18:30掲載

「なぜ温泉は身体に良いのか」を徹底解説

「なぜ温泉は身体に良いのか」を徹底解説

執筆:井上 愛子(保健師、看護師) 温泉大国である日本。 日本各地にはさまざまな温泉があり、その効果もさまざまです。 「温泉=身体にいい」というイメージをもつ人がほとんどだと思いますが、なぜ...

2016/10/29 12:00掲載

知ればすぐ行きたくなる、温泉・10の泉質と効能

知ればすぐ行きたくなる、温泉・10の泉質と効能

執筆:井上愛子(保健師) 監修:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 温泉好きで知られる日本人。ある調査では、回答者のおよそ8割が「温泉好き」と答えたそうです。 また、「...

2016/03/03 18:30掲載