レバーのかたまりのような経血… それは「過多月経」かも

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レバーのかたまりのような経血… それは「過多月経」かも

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過多月経の治療法で用いられる「IUS」って?

 
IUSは、「子宮内黄体ホルモン放出システム」と呼ばれる、避妊法や生理の症状に悩まされる女性が使用できる器具です。個人で装着することはできず、医師が子宮のなかに直接、やわらかい小さな器具を入れます。
 
器具からは黄体ホルモンが継続的に放出されるため、子宮内膜の増殖を抑える効果があります。この効果によって経血量が減り、生理痛の症状をやわらげるのです。しかし、体質や身体の状態によってはIUSが適さない場合があります。
 

IUSが適している人

・妊娠を希望しない
・長期にわたり避妊を希望している
・経血量が多く貧血で悩んでいる
・生理痛がひどく悩んでいる
・低用量ピルなどのホルモン剤を飲み忘れるのが心配
 
 

IUSが適していない人

・性器がん、黄体ホルモン依存性腫瘍にかかっている
・IUSの成分に対して過敏症がある
・生理以外の不正出血がみられる
・子宮の形や位置に異常がある
・性器感染症がある
・過去3か月以内に性感染症にかかった
・過去3か月に分娩後子宮内膜炎や感染症流産を経験した
・子宮外妊娠を経験した
・肝機能に異常がある
・妊娠している、あるいは妊娠の可能性がある
 
 
IUSは女性用の避妊器具としても用いられることがあり、一度挿入すると最大5年間使用できます。
 
長期にわたって避妊を考えている人や、月経困難症や過多月経などの症状に悩まされている女性が使用することが多いです。一方で、出産経験がない、糖尿病やてんかんがある人、そして授乳中である場合もIUSの使用は医師に申告する必要があります。
 
過多月経を放っておくと、症状が悪化してしまうことがあります。ひとりで悩まずに専門医に相談し、改善していけるといいですね。
 
 
<取材協力>
バイエル薬品株式会社
 
太田郁子先生・倉敷平成病院婦人科医長
 
<監修者プロフィール>
太田 郁子(おおた・いくこ)
倉敷平成病院婦人科医長、医学博士、日本子宮内膜症啓発会議実行委員
 

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