「恋愛体質」 心理学的にはどう分析する?

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「恋愛体質」 心理学的にはどう分析する?

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恋愛をしたときの脳の反応

 
恋愛と私たちの脳には深い関係があります。
 
よく「恋愛するとドキドキする」という表現がされますね。実際、恋愛は脳を刺激し、次のようなホルモンを分泌するといわれています。

 
 
1.フェニルエチルアミン
このホルモンは、恋愛の初期段階で脳の下垂体から分泌されます。恋愛特有のドキドキ感をもたらすため、通称「恋愛ホルモン」とも呼ばれています。
 
巷では、「恋愛するとやせてキレイになる」と言われることがありますが、このホルモンには食欲抑制効果があるといわれています。ただし、このホルモンはいつまでも続くものではなく、半年~3年ほどでなくなるといわれています。
 
 
2.ドーパミン
私たちの脳では、喜びや幸せなどの快楽を感じるときに脳内ホルモンである「ドーパミン」が分泌されています。恋愛すると、脳の快楽を感じる仕組みである「報酬系」が活発化され、ドーパミンの分泌が促進されます。

 
すると、喜びや幸せといった感情が湧き、脳はそれを快楽として記憶します。そして「また恋愛したい」「またドキドキしたい」という気持ちをもたらすのです。
 
一方でドーパミンは快楽物質であるがゆえに、さまざまな依存を引き起こすことがあります。そのため、たくさん出るほどよい、というわけではありません。

 
 
3.オキシトシン
オキシトシンは、妊娠や出産にかかわるホルモンとして知られています。人に安らぎや幸せをもたらす働きがあることから、別名「愛情ホルモン」とも呼ばれています。
 

オキシトシンは人や動物との触れ合いによって分泌が促進されることがわかっています。
 
「好きな相手と触れ合うと、なんだか落ち着く」という経験がある人も多いと思いますが、これもオキシトシンによる効果と考えられます。

 
 
このように恋愛によって脳からさまざまなホルモンが分泌され、それによって私たちは喜びや幸せ、安らぎなどを得ることができます。
 
「恋愛体質」とされる人たちは、これらのホルモンの働きを敏感に感じとることで、いつも恋愛していたり、そのための行動をしているとも考えられるでしょう。
 
 

「恋愛体質」の解明にはさらなる研究が

 
これまでの研究によって、恋愛をすると脳からさまざまなホルモンが分泌され、恋愛特有の感情を引き起こすことがわかってきました。
 
しかしホルモンの分泌が恋愛のしやすさにどのような影響を与えているのか、あるいはそれ以外の脳の働きが影響を与えているのかなど、まだまだ明らかにされていないことはたくさんあります。
 
「恋愛体質」というコトバの定義や共通した定義が作られるためには、脳のメカニズムが解明され、恋愛中の脳やホルモンの働きがより一層明らかになることが必要といえるでしょう。

 
【参考】
ゼクシィユーザーアンケート『恋愛体質の女性やカラオケについて』
https://zexy.net/contents/lovenews/article.php?d=20110203

 
 

<執筆者プロフィール>
伊坂 八重(いさか・やえ)
メンタルヘルスライター。
株式会社 とらうべ 社員。精神障害者の相談援助を行うための国家資格・精神保健福祉士取得。社会調査士の資格も保有しており、統計調査に関する記事も執筆。

 

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