ガニ股ってどうしてなるの?

Mocosuku(もこすく)
  • ガニ股ってどうしてなるの?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

ガニ股ってどうしてなるの?

公開日時

ひどいガニ股はケガや病気になることも

 
ガニ股は外見的な問題だけでなく、程度がひどくなると腰や膝、足の痛みをおこすことがあります。
 
長く歩いたり、ランニングしたりすると足の裏や甲、膝などに痛みが出るというのであれば、扁平足やハイアーチ、あるいは外反母趾などがあるかもしれません。
 
ガニ股は放置しておくとO脚の状態がだんだんひどくなることもあります。
 
軽度のO脚であれば姿勢に気をつけたり、サポーターなどを使ったセルフケアでも対応できますが、重度になると手術などをしなければ治せない状態になることもあります。
 
若いときには大丈夫だとしても、年齢を少しずつ重ねるおと強い痛みで歩くこともままならない、といったところまで進行するケースもあります。

 
 

ガニ股を改善する対策法

 
ガニ股に対する対策として手軽に取り組めるものは、「姿勢を良くする」「筋トレをする」「サポーターを使う」という3つがあります。順番に見ていきましょう。

 

姿勢を良くする

 
普段から姿勢に気をつけておくことは、ガニ股だけでなく、肩こりや腰痛、頭痛対策としても有効です。
 
姿勢をみるときのポイントは、からだを横からみたとき、以下の部位が一直線のライン状に並ぶことです。
 

・耳
・肩(肩峰:けんぽう):肩を触りながら腕を真横にあげたときに凹みを感じるところ。
・骨盤(大転子:だいてんし):骨盤と太もももつなぎ目の部分で、横から触ると出っ張りを感じるところ。
・膝(膝のお皿の後ろ)
・外くるぶし

 
【イラストで紹介】ガニ股対策・姿勢を良くするポイント

 
 

筋トレをする

 
太もものなかでも、とくに内腿の筋肉をトレーニングします。
 
ガニ股の人の多くは、太ももの内側の筋肉が弱くなっています。太ももの外側の筋肉の方が内側よりつよいアンバランスな状態だと、膝の関節が外側に引っ張られてしまいます。
 
太ももの内側にある内転筋をトレーニングすることで、このアンバランスを解消することが目的です。
 
トレーニングは簡単です。
 
椅子に座った状態で、両膝にバレーボールくらいのゴムボールを挟んでそれを潰すようにうごかすだけです。1日15〜30回を3セット目安に取り組みます。
 
 

サポーターを活用する

 
ガニ股の改善におすすめのサポーターは、靴のなかに入れる「中敷(インソール)」です。
 
膝全体を包んだり両膝をつなげるサポーターもありますが、着け外しが面倒だったり膝が固定されるので長つづきしない人が少なくありません(使いつづけられるようであれば、もちろん使ってOKです)。
 
靴の中敷であれば、普段履く靴のなかに入れておくだけなので手軽です。
 
ポイントは足の裏のアーチをサポートしてくれるもの、体重が「かかと → 足の裏の少し外側 → 足の親指」の順番にかかるよう少し外側が高くなっているものを選ぶことです。

 
 

こういったインソールは健康関連のグッズなどを揃えているお店にも置いていますし、靴屋さんなどで取り扱っているところもあります。
 
ただ、実際に履いてみないと履き心地がわかりませんので、直接店舗に行って履いてみることをおすすめします。
 
 
いかがでしたでしょうか。
 
ガニ股は姿勢や足の裏のトラブルなどによっておこることが少なくありません。
 
足が疲れやすかったり、長く歩いたりすると膝や足に痛みや疲労感を感じるのであれば、一度自分の姿勢を確認したり、普段履いている靴、運動するときに使うシューズなどを見直してみることがいいですね。
 
【参考】
*中村隆一他(著):基礎運動学 第6版, 2003, 医歯薬出版
*Jane Johnson:セラピストのためのハンズ・オンガイド姿勢アセスメント, 2014, 医歯薬出版
*蒲田和芳(監):足部スポーツ障害治療の科学的基礎 (Sports Physical Therapy Seminar Series), 2012, ナップ
*Sportsmedicine 2012 NO.142・膝の動きを診る(http://www.bookhousehd.com/pdffile/msm142.pdf 2016年11月16日閲覧)

 
 
<執筆者プロフィール>
森 ジュンヤ(もり・じゅんや)
理学療法士国家資格取得。急性期総合病院、回復期リハビリ専門病院、訪問看護ステーションにて臨床経験を経る(現在10年目)。専門分野は保健衛生分野。現在は医療関連記事、動物臨床医学、保健衛生学についての執筆を行う。
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【足】新着記事

デスクワーカーは要注意! アクティブ・カウチポテトの深刻な健康リスク

デスクワーカーは要注意! アクティブ・カウチポテトの深刻な健康リスク

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 運動不足はカラダによくない…これは誰しも十分わかっていること。 昨今、長時間のデスクワーク、つまり「座りすぎ」がもたらす運動不足について、...

2019/04/16 18:30掲載

生き物ではない、「タコ」と「魚の目」 という皮膚病について

生き物ではない、「タコ」と「魚の目」 という皮膚病について

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「タコ」と「魚の目(うおのめ)」。 ここでいうこれら、魚のことではありません…皮膚病の俗称です。 通常、タコは手足など身体のあち...

2018/03/24 18:30掲載

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのよう...

2017/04/12 18:30掲載

足がむずむず、眠りにつけない… 「むずむず脚症候群」

足がむずむず、眠りにつけない… 「むずむず脚症候群」

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ むずむず脚症候群は「レストレスレッグス症候群:RLS」とか「下肢静止不能症候群」とも呼ばれます。 奇妙な名前なので...

2017/02/09 18:30掲載

ガニ股ってどうしてなるの?

ガニ股ってどうしてなるの?

執筆:森 ジュンヤ(理学療法士) 普段自分では気づきにくい、歩き方のクセ。 そのひとつに「ガニ股」があります。 ガニ股は、気がつくと脚が外に開いてしまうので、外見的にも気になってしまいますが...

2016/11/22 12:00掲載

ハイヒールはカラダに良い?悪い?

ハイヒールはカラダに良い?悪い?

執筆:井上 愛子(保健師、看護師) オフィスへの出勤に、休日のおでかけ。そんな女性には欠かせないアイテム・ハイヒール。スタイルをよく見せてくれるハイヒールはお洒落の必須アイテムですよね。 でも履き続け...

2016/10/28 18:30掲載