そんなに食べていないのに… 「小食なのに太る」理由は?

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そんなに食べていないのに… 「小食なのに太る」理由は?

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食事だけではなく運動量が問題?

 
食事のバランスにも関わることですが、小食でも太るのは運動量が少ないことも原因のひとつにあるかもしれません。
 
筋肉は動かさないでいると減っていきます。身体を動かさずにカロリーを制限している小食の場合、脂肪よりも先に筋肉が減ることで体重が落ちていくのです。
 
そして筋肉が落ちた状態では、「生きていくための活動で消費するカロリー=基礎代謝」が減ってしまいます。
 
筋肉1kg減るごとに1日に50kcalの基礎代謝が減るといわれています。基礎代謝が減った分が、太ることの原因へとつながっていくのです。

 
 

太ってしまう病気がある?

 
規則正しく食事を摂っていて、適度に身体も動かしているのに太ってしまう裏には、病気が隠されている可能性があります。

 
体重を増やしてしまう病気の一部を紹介します。
 

甲状腺機能低下症・橋本病

「甲状腺機能低下症」は、のどぼとけの下にある「甲状腺」という甲状腺ホルモンを分泌する臓器の機能が低下した病気です。女性に多くみられます。
 
橋本病も同じく甲状腺の病気です。橋本病では、甲状腺の機能が低下するのはおよそ3割ほどといわれています。
 
甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進する作用があります。この機能が低下することで、新陳代謝が低下し、小食でも太りやすくなるのです。
 
 

クッシング症候群・クッシング病

「クッシング症候群」とは、「副腎皮質ホルモン」が身体の中で異常に多く産生されるために生じる病気の総称です。
 
その中でも「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されるものを「クッシング病」といいます。
 
コルチゾールは、食べたものをエネルギーに変換させる作用があります。また、ほかのホルモンの分泌を促す作用もあります。
 
クッシング病は、顔が満月のようにまんまるに膨らむ「満月様顔貌(まんげつようがんぼう)」や腹部を中心に脂肪がつく「中心性肥満」といった症状がみられます。

 

これらは、小食であってもホルモン分泌に関連して体重を増加させる病気です。
 
 

体重が増加する病気はほかにもあります。生活習慣が正しくても体重が増える背景には、病気が隠されている可能性もあるのです。

 
普段から体重を測定する習慣で、その変化に早く気が付くことができます。
 
一度ご自分の生活習慣と体重の変化を振り返ってみることで、不調の早期発見と自身の健康へとつなげていきましょう。
 
 
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

 

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