「胃のむかつき」いつものことだから大丈夫、じゃない!?

Mocosuku(もこすく)
  • 「胃のむかつき」いつものことだから大丈夫、じゃない!?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

「胃のむかつき」いつものことだから大丈夫、じゃない!?

公開日時

胃のむかつき…こんな病気の可能性も

 
胃のむかつきなどの症状が現れたとき、どのように対処していますか?
 
現在は、胃の不快感に効く市販薬が数多く販売されているため病院には行かず、市販薬で対処し、症状が治まるのを待つという方も多いことでしょう。
 
しかし胃の不調を放っておくと、病気の発症を見逃してしまう可能性があり、注意が必要です。
 
胃のむかつきの症状が現れる病気には次のようなものがあります。
 

胃炎

食生活の乱れやストレスなどによって、一時的に胃の粘膜に炎症が見られるものを「急性胃炎」といいます。
 
急性胃炎は、炎症を起こした原因を取り除けば数日で回復しますが、何度も炎症をくり返していると、胃粘膜が萎縮し、「慢性胃炎」となります。
 
上腹部の痛み、むかつき、胸やけ、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。慢性胃炎の場合、ピロリ菌に感染している場合もあります。
 
 

胃潰瘍、十二指腸潰瘍

胃酸の分泌が増えることで、胃酸によって胃の壁にただれがおこり、とくに空腹時に胃の痛みを引き起こす疾患です。
 
胃の痛みのほかに、胸やけ、胃のむかつき、食欲不振などの症状が現れることがあります。
 
十二指腸も同様のしくみで潰瘍が起こりますが、十二指腸の場合は、食後に痛みを訴える人が多いようです。
 
 

胃がん

胃の粘膜の細胞ががん化することで起こる病気です。リスク因子としては、食生活の乱れ、喫煙、ピロリ菌への感染が挙げられます。
 
胃がんは自覚症状が現れにくく、また、症状があったとしても胃潰瘍の症状と似ているため、がんとして自覚されにくい病気です。
 
 
このように、胃のむかつきなどの症状の裏には、治療が必要な病気が隠れていることもあります。
 
発見しにくい病気を見逃さないためには、症状が現れたときに「いつものこと」と決めつけないことが重要です。
 
頻繁に胃の不快な症状が現れているという方は、一度病院で検査を受けるようにしましょう。
 
 
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【胃】新着記事

あ、ゲップが出ちゃう! ゲップを抑える方法はある?

あ、ゲップが出ちゃう! ゲップを抑える方法はある?

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 人前でゲップをするのはマナー違反といわれます。 おならも同様ですが、欧米ではゲップの方がマナー違反の度合いが高いとされています。 ...

2018/02/11 18:30掲載

「逆流性食道炎」とはどのような症状? 原因や治療法は?

「逆流性食道炎」とはどのような症状? 原因や治療法は?

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 近年、食生活の変化を背景に日本人に増えているといわれている「逆流性食道炎」。 胸やけが続いているあなた、それは逆流性食道炎のサインかも...

2017/10/16 18:30掲載

いくら食べても太らない? 「胃下垂」とはどういうこと?

いくら食べても太らない? 「胃下垂」とはどういうこと?

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「胃下垂(いかすい)の人は、たくさん食べても太らない」 こんな話、聞いたことはありませんか? どうして「胃下垂」は太らないといわ...

2017/07/11 18:30掲載

「胃のむかつき」いつものことだから大丈夫、じゃない!?

「胃のむかつき」いつものことだから大丈夫、じゃない!?

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「なんだか胃がムカムカする」という経験は、多くの人がお持ちでしょう。 なかには、「いつものこと」と思って市販薬で対処している人もいるか...

2017/03/13 18:30掲載

食生活の変化から20~30代でも。「逆流性食道炎」について

食生活の変化から20~30代でも。「逆流性食道炎」について

執筆:井上 愛子(保健師、看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 20~30代でも横になるとウッという感じがしたり、ご飯を食べた直後に酸っぱい胃酸が込み上げてくる感じがする方は、逆流性食道炎にかかっているか...

2016/12/22 18:30掲載

12月11日は、「いに(12)いい(11)」で胃腸の日

12月11日は、「いに(12)いい(11)」で胃腸の日

執筆:井上 愛子(保健師・看護師) 忘年会など「機会飲酒」が増える季節になりました。あなたの胃腸は大丈夫ですか? 12月11日は日本OTC協会が「胃腸の日(イニイイ)」と定めています。 忙しい年...

2016/12/11 12:00掲載