身近になりつつある「レーシック手術」 リスクはない?

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身近になりつつある「レーシック手術」 リスクはない?

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レーシック手術のリスク

 
レーシック手術のリスクとして、術後合併症があります。
 
代表的な術後合併症は以下です。
 
 

ハロー・グレア

術後、光がまぶしくなり見えづらくなる、あるいは光に輪のようなものが見えるなど、光の感じ方に異常をきたす後遺症。
 
 

不正乱視

眼鏡で矯正できない乱視のこと。レーシック手術後に角膜拡張症などを発症した場合に起こる。
 
 

ステロイド緑内障

術後に炎症を抑えるために使われたステロイドによって緑内障を発症することがある。
 
 

ドライアイ

手術中、角膜の神経の一部が切断されることが原因で発症するといわれている。
 
 
また、手術後の視力についても問題となっています。
 
消費者庁が行った調査(※1)によると、およそ74%の人が「希望した視力になった」と答えている一方で、「希望した視力に届かなかった」という人は13%、「いったん希望した視力になったが、戻ってしまった」という人は5%いることがわかりました。

 
反対に、「矯正され過ぎてしまった」という人も5%いて、過矯正もまた問題となっています。
 
過矯正は、手術前の視力の設定が1.2や1.5と高いことが原因といわれていて、眼精疲労や、近くのものが見えにくい近見障害などを起こす可能性があります。
 
また、1度の手術で適当な視力にならず、再手術が必要となるケースも報告されています。

 
 

レーシック手術は安易に受けてはいけない

 
このような事態を受け、2013年、消費者庁と国民消費生活センターは、レーシック手術に関する注意喚起を発表しました。
 
その中では、事前にリスクについて充分な説明を受けていないケースもあり、それがトラブルの一因になっていると指摘されています。
 
このようなトラブルを防ぐためには、レーシック手術にはリスクがあることを知り、自分が本当に手術を必要としているのか、信頼できる医師に相談する必要があります。
 
病院を選ぶ際も、レーシック手術の良い面ばかり謳っていないか、あるいはリスクに対する説明をきちんと行ってくれるか、慎重に確認しましょう。
 
必要に応じて、セカンド・オピニオンを行うと、よりいっそう安心できますね。
 
 

【参考】
※1:消費者庁 独立行政法人国民生活センター『レーシック手術を安易に受けることは避け、リスクの説明を十分受けましょう!』(http://www.caa.go.jp/safety/pdf/131204kouhyou_1.pdf)
 

<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当

 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

 

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