働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

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働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

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適応障害とうつ病

 
うつ病は俗に「心の風邪」といわれますが、本当のうつ病は身体の疾患にたとえると「肺炎」か「結核」くらい重症なもので、表現としては不適切という指摘があります。一方で「適応障害こそ心の風邪と呼ぶにふさわしい」という精神科医もいます。
 
適応障害とうつ病との大きな違いは、本人がストレスの原因(ストレッサー)から解放されると元気を取り戻すことです。
 
たとえば、近年話題の「新型うつ」(職場不適応症)は、職場の人間関係や仕事のプレッシャーなどがストレッサーとなって起こる適応障害で、職場ではうつ病のような状態になる反面、職場以外の場面では通常通りに振る舞えるというもの。
 
これに対しうつ病の場合は、ストレッサーがなくなっても状態がすぐに改善することはなく、治療から回復までにも相当の時間がかかります。
 
また、うつ病は薬物療法が有効ですが、適応障害では、カウンセリングなどに薬物療法を併用することが有効という見解もあります。
 
 

適応障害の治療;休養と環境調整が基本

 
休養と環境調整が適応障害治療の基本になります。そのために、不安や不眠などの症状が辛い場合は、対症療法として薬物療法が用いられます。
 
環境調整は、ストレス因を除去するか、ストレスへの抵抗力を強くしたり、対処能力を高めることが必要となります。
 
この目的でカウンセリングや認知行動療法を行うことが有効とされています。
 
ストレス因に対しては、現実的に働きかけて問題解決へつなげられれば理想的ですが、そのためには、本人の努力だけでなく周囲の協力やサポートも必須でしょう。
 
それでもなかなか変えられないことが現実的に多いので、その場合には、一時的に回避をしたり、ストレスによって被る緊張感を感情表出したり、ストレス発散をしたりなどのストレス・コーピング(対処)ができてくると、症状が改善され、時間とともに軽快していくと考えられています。
 
 

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