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鉄分が不足すると何が問題?
鉄分は赤血球の成分であるヘモグロビンを作る材料です。
そのため、鉄分が不足すると赤血球が作られなくなります。このように、体内にある鉄分が不足して赤血球が減ってしまう状態を「鉄欠乏性貧血」といいます。
貧血の原因の約7割は、鉄分不足による鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血となると、酸素を十分に身体に運ぶことができなくなり、次のような症状がみられます。
・頭痛
・息切れ
・身体がだるい
・疲れやすい
・動悸
・顔色が悪い
・爪がスプーン状になる
・爪が割れやすい
・枝毛や抜け毛が増える
女性が貧血になりやすいのはなぜ?
鉄分は体内に貯蔵することはできますが、体内で作り出すことができないため、食品から摂取する必要があります。
そのため、過度なダイエット、偏った食事などによって必要な量が摂取されないと、体内の鉄分の量が不足することになります。
また鉄欠乏性貧血は、男性に比べて圧倒的に女性に多くみられます。
成人女性の約1割がこの病気といわれ、さらに、成人女性の約2割近くが貧血予備軍ともいわれています。
このように、女性に鉄欠乏性貧血の患者さんが多いのには、鉄分の摂取不足以外にも次のような理由があります。
・月経や婦人科系の疾患(子宮筋腫、子宮内膜症など)による出血がある
・貯蔵鉄の量が男性と異なり、体内に鉄分を貯えられる量が少ない
・血液を作る作用を持つ男性ホルモン(テストステロン)が男性と比べて少なく、造血作用が弱い
・妊娠や授乳などで鉄分をより多く必要とする
鉄欠乏性貧血となりやすい女性は、とくに意識して鉄分を摂る必要があります。
そのためにも、食生活を見直し、1日3食バランスの良い食事によって必要な鉄分をきちんと摂取するようにしましょう。
また、貧血の症状が強い場合には、婦人科系の疾患をはじめ、貧血となる原因がないかきちんと調べるためにも、一度医療機関に相談するようにしましょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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