ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

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ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

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医学的なヨガの効果:身体的効果

 

身体の緊張をほぐす

 
ある研究では、単に横になっているよりも、ヨガの呼吸法を取り入れて瞑想する方が、酸素の消費量や呼吸数が増え、リラックス効果があることが実証されました。
 
また別の研究では、ヨガを1時間行うと、大脳の辺縁脳と反射脳が沈静化されることがわかりました。
 

身体機能の改善

 
ヨガの後に、免疫機能の指標であるNK(ナチュラルキラー)細胞とT細胞系といった免疫細胞(※)を調べると、短時間の間に増加が見られ、免疫機能を増強させる効果があると示されました。
 
また、ヨガの前後に起こる身体機能の変化に焦点を当てた研究では、神経機能、内分泌機能、免疫機能、筋肉増強、血行などが改善されることも明らかになっています。
 
(※)免疫細胞については、こちらの記事もご参考ください。『よくいう「免疫力」とは、なんなのでしょう?』
 

身体疾患の改善

 
喘息患者を対象にした研究では、ヨガを行ったグループと行わなかったグループで喘息症状に変化があるか調べました。
 
その結果、有意差はなかったものの、ヨガを行ったグループの方が、「喘息症状が改善された」と申告した人が多かったそうです。
 
また、関節リウマチ患者を対象にした研究では、身体の柔軟性や筋力が増して、QOL(Quality Of Life;生活の質)が向上したことがわかっています。
 
 

医学的なヨガの効果:心理的効果

 

主観的な健康を増加させる

 
エイズ患者を対象にヨガプログラムを実施したところ、不安が減り、抗不安薬や痛み止めの使用量が減少したことがわかりました。
 

強迫神経症への治療効果

 
強迫神経症の患者8名に1年間の予定でヨガを行わせたところ、3名が服薬不要となり、ほかの2名も服薬量が減少する、という結果が得られました。
 

うつ病患者への効果

 
うつ病の患者をヨガ群、薬物療法群、電気療法群にわけ、それぞれの方法でうつ症状の改善度合いを調べたところ、電気療法群にもっとも治療効果が認められたものの、ヨガ群と薬物療法群では同程度の症状改善効果があることがわかりました。
 
 
このように、幅広い研究により、医学的観点からもさまざまな良い点があると立証されています。
 
とりわけ、身体の緊張をほぐす、不安を解消する、といった効果に関しては、多くの研究で認められたといえるでしょう。
 
 

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