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基本的な水分補給
環境省熱中症環境保護マニュアルによると、体重約70㎏の成人男性の場合、1日の水分の出入りは「2.5リットル」とされていて内訳は次のとおりです。
入ってくる水
・食事に含まれる水分:1リットル
・たんぱく質、炭水化物、脂肪が体内で燃焼して出る水分:0.5リットル
・飲み水:1リットル
出ていく水
・呼気:0.5リットル
・皮膚からの蒸発:0.5リットル
・尿や便:1.5リットル
このように、通常は1日に1リットルほどの水分補給をしていれば脱水状態には陥りません。
喉が乾いたときに200mlくらいを1日5回飲めばよい計算となります。
夏場は暑さや運動などにより発汗が促進されますので、その分余計に水分補給をする必要がありますが、身体も自然と水分を欲してくれます。
【参考】
環境省熱中症予防情報サイト『熱中症環境保健マニュアル』(http://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php)
冬の脱水
それに対して、冬の場合はどうでしょうか。
いくつか脱水にいたる重要な要因がありますので見てみましょう。
乾燥による脱水
外気の乾燥、エアコンや暖房の使用による室内の乾燥、住宅の気密性により湿度が低いなど、冬は外的な要因から乾燥しやすくなります。
また、身体の体感温度が低くなり喉の渇きを感じにくい、身体を冷やしたくないために水分を控える…などといった状態になりがちです。
呼気や皮膚からの水分の蒸発は夏場でも感じることはなく、「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と呼ばれていますが、まさに冬は脱水状態に気がつきにくくなるのです。
ウィルス感染などによる脱水
風邪やインフルエンザなどの感染症は、脱水症発症の原因となります。
嘔吐や下痢などの症状から大量の体液が体外に排出されたり、高熱による体温調節のため発汗が促進されたりするためです。
脱水による脳卒中や心筋梗塞のリスク
冬は脳卒中や心筋梗塞が増加します。
これは、寒くなって血圧が上昇することに加え、水分の摂取不足から血液の粘度が高くなり、いわゆる血液ドロドロ状態になることが要因として挙げられています。
アルコールによる脱水
冬場も飲酒の機会は多いでしょう。
お酒を飲むと喉が渇く、という現象はご存知だと思いますが、アルコールには利尿作用がありお酒を飲むと脱水状態になっていきます。
お酒を水分とみなして「水分補給をしているから大丈夫」、という解釈は誤りです。
最近では、飲酒しながら水分補給をする「和らぎ水」(洋風にいえばチェイサー)が奨励されています。
【参考】
二本酒造組合中央会「『和らぎ水』のすすめ」(http://www.japansake.or.jp/sake/know/water/index.html)
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