感染症対策の「アルコール消毒」 その有効性と注意すること

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感染症対策の「アルコール消毒」 その有効性と注意すること

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アルコール消毒の効果

 
アルコール消毒剤には次のようなメリットがあります。
 

消毒効果が高い:手洗いや石鹸よりも消毒効果が高い

手荒れが少ない:手洗いに比べ、保湿成分が入った消毒剤だと手も荒れにくい

短期間で効果を発揮:揮発性が高いため短時間で済み、水が要らず屋外でも利用できる

 
 
感染予防や洗浄などにアルコール消毒はどの程度の効果があるのでしょうか?
 
アルコールは、細胞への浸透が早いこと、殺菌する速度も速いことがメリットです。
 
最近の学説では、エタノールと水の比率を1:1にすると、エタノール中の水に混ざりにくい「疎水基:CH3CH2 」が平面状に並んで細菌の細胞膜を破壊し、たんぱく質を溶解させて細菌を死滅させると考えられています。
 
ちなみに、この場合消毒にもっとも適したアルコール濃度はおよそ70%とされています。
 
 

アルコール消毒が効くものとそうでないもの

 
近年、アルコール消毒剤はインフルエンザなどおもにウィルス対策への効果を期待して使用されますが、ウィルスには多くの種類がありますから効果がないウィルスも存在します。
 
ウィルスは、外側に「エンベロープ」(脂質でできている膜状の構造)を持っているものとそうでないものとがあり、この違いが効果の有無に関ります。
 
エンベロープを持つウィルスはおよそ80%といわれていて、インフルエンザ、ヘルペス、風疹、HIV、B型・C型肝炎などです。
 
これら「エンベロープ」を持つウィルスにはアルコール消毒は有効です。
 
一方、エンベロープを持たないウィルスや細菌、たとえば、ノロウィルス、エンテロウィルス、ライノウィルス、A型肝炎ウィルスなどにはアルコール消毒は有効ではありません。
 
なかでもノロウィルスは、冬場の感染性胃腸炎を引き起こし大流行することもあります。
 
その場合、アルコール消毒薬の代わりに次亜塩素酸ナトリウムなど塩素系の消毒剤が用いられることがあります。
 
しかし、皮膚への刺激がきつすぎて人には使用できませんし、金属などは腐食し洋服も色落ちしてしまいます。
 
ですから、アルコール消毒による二度拭きやアルコール消毒薬を酸性にしたものなどが提起されています。
 
ウィルスのほかにもブドウ球菌や肺炎球菌などの「グラム陽性菌」、大腸菌などの「グラム陰性菌」、結核菌や真菌にもアルコール消毒は有効とされています。
 
一方、カビや芽胞形成菌(がほうけいせいきん)には有効ではありません。
 
芽胞形成菌は一般に土壌に生育しているボツリヌス菌、炭そ菌、破傷風菌などです。
 
 

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