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初期症状から注意が必要
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)は、一般的に熱や寒気といった風邪のような症状からはじまります。
子どもはこうした症状をうまく説明することができないため、初期症状として不機嫌になってグズッたり、食欲が落ちたりします。
また、皮膚が赤くなったり、発疹ができたりして、触ると痛みを伴うため、抱っこを嫌がる場合もあります。
皮膚症状の経過は、まず目や鼻、口の周りが赤くなり、水ぶくれやかさぶたで覆われたようなタダレができます。
新生児では、オムツがあたる場所やおへそ周りにできることもあります。
水ぶくれやタダレはやがて全身に広がり、少し触れただけで皮膚が剥がれてしまうようになります。
早期に適切な治療を受ければ、たいてい1~2週間ほどで落ち着くのですが、病気の進行が早く放っておくと重症化するケースもあります。
皮膚がむけた状態が広範囲になると、バリア機能が低下して他の病気にかかりやすくなったり、全身に感染が広がる敗血症や肺炎、脱水症状に陥ったりする可能性も考えられます。
「風邪かな?」と思っても、皮膚の赤みやいつもと違う様子に気づいたときは速やかに病院を受診しましょう。
めずらしくない病気が引き金になることも
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)は感染症ですから、他の人にうつる病気です。
咳やくしゃみなどの飛沫感染のほか、SSSSにかかっている人の皮膚や粘膜、病原体が付着している物に触れた手で、自分の目や鼻、口などを触って接触感染することもあります。
特に触れ合う機会の多い子ども同士や、SSSSにかかった子どもの世話をした親の手を介して、兄弟など別の子どもにうつることも考えられますので注意が必要です。
また、俗に「とびひ」と言われる「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」も、傷口などから黄色ブドウ球菌が入って水ぶくれができ、それが破れて皮膚がただれたようになる病気です。
とびひは悪化すると全身に広がり、SSSSに移行してしまう危険があるため早めの対処が重要です。
さらに、風邪やインフルエンザも引き金になります。
いずれにしてもSSSSは子どもがかかりやすい病気で早期治療が重要であると認識して、周りの大人は常に体調の変化に気をつけてあげましょう。
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