「寝溜め」は身体によくないの?  寝すぎ がもたらす影響とは?

Mocosuku(もこすく)
  • 「寝溜め」は身体によくないの?  寝すぎ がもたらす影響とは?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

「寝溜め」は身体によくないの?  寝すぎ がもたらす影響とは?

公開日時

 寝過ぎ る人に多くみられる傾向とは?

 

長年睡眠を研究してきた、イングランド、ウォーリック大学のフランコ・カプッチオ教授は、100万人以上の人々の睡眠習慣を調査し、「睡眠と死亡率」には、ある傾向がみられたことを発表しています。

 

まずこの調査は、調査対象を3グループに分けて行われました。
・1日あたりの睡眠時間が「6時間未満」の人々
・1日あたりの睡眠時間が「6時間から8時間」の人々
・1日あたりの睡眠時間が「8時間以上」の人々

 

調査開始の10年後に、各グループの死亡率をみると、睡眠時間が「6時間未満または8時間以上」のグループは、「6時間から8時間」のグループより死亡リスクが高くなったことが判明したとのこと。

「6時間から8時間」のグループに比べて、「6時間未満」のグループは12%、「8時間以上」のグループは、何と30%も死亡率が高くなっていたそうです。

「寝すぎ」も健康にとって好ましくない、ということを実証しているひとつのデータですね。

 

さまざまな「 寝すぎ 」のリスク

 

調査結果でも示されたとおり、適切な睡眠時間は、おおむね6時間から8時間といわれています。寝すぎると、どのようなリスクがあるのでしょうか。

 

・自律神経が不安定に
長時間の睡眠は眠りが浅く、浅い眠りは自律神経が不安定になります。自律神経はホルモン分泌にも関わっていますので、特に女性は、生理不順や血行不良などの冷え性の原因にもなるので注意が必要です。

 

・頭痛
寝すぎると、起きた後もずっと頭がボーとして、ズキズキ痛いことがあります。経験したことがある人も多いのではないでしょうか? これは長時間、頭を横にしていることで、脳の血管が拡張しすぎて、神経伝達物質を刺激していることが一因ではないかと考えられています。

 

・うつ病の悪化
家で寝てばかりいると、うつ傾向の人は、うつ病を悪化させることがあります。「うつ」を改善するには、太陽の光を浴びることが大事です。

 

・脳の老化
長時間の睡眠は脳を老化させ、記憶力と意志決定能力を下げることがわかっています。

 

・糖尿病のリスク
睡眠の質は、インスリン抵抗性や血糖コントロールの悪化に関与しているといわれ、睡眠時間が長かったり少なかったりすると、糖尿病の発症リスクが高まることがわかっています。

 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【睡眠】新着記事

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 「トリプトファン」はアミノ酸の一種です。 トリプトファンが不足すると精神的に不安定な状態や不眠などを招き、やがて自律神経や体内リズムの乱れ...

2019/07/16 18:30掲載

大人の悪夢はストレスが原因? 『悪夢障害』とは

大人の悪夢はストレスが原因? 『悪夢障害』とは

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは悪夢に悩まされていませんか? 繰り返し見る悪夢によって睡眠が妨げられ、日常生活にまで支障を来す状態を「悪夢障害」と呼び、医...

2019/03/08 18:30掲載

「22時~深夜2時はお肌のゴールデンタイム」の信憑性

「22時~深夜2時はお肌のゴールデンタイム」の信憑性

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 睡眠中の午後10時~午前2時は「お肌のゴールデンタイム」…という話を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。 ...

2019/02/08 18:30掲載

交感神経の衰えで、食べなくても太っちゃう? 「モナリザ症候群」

交感神経の衰えで、食べなくても太っちゃう? 「モナリザ症候群」

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ 「モナリザ」といえばレオナルド・ダ・ ヴィンチが描いた、有名な女性の肖像画が思い浮かびます。 ...

2019/01/15 18:30掲載

一瞬の寝落ち『フラッシュスリープ』 活用次第ではメリットも?

一瞬の寝落ち『フラッシュスリープ』 活用次第ではメリットも?

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 『フラッシュスリープ』は、『瞬眠(しゅんみん)』『マイクロスリープ』とも呼ばれます。 猛烈な眠気のあと、時間にしてほんのわずか数秒から...

2018/12/11 18:30掲載

口臭や体臭… 寝起きがキツイのはどうして?

口臭や体臭… 寝起きがキツイのはどうして?

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 日本人はにおいにとても敏感、過剰反応などという論調も見られる昨今… そうは言っても、自分の臭いや家族の体臭、口臭は誰しも少なか...

2018/11/25 18:30掲載