いつか産む日のための準備!妊娠や避妊、きちんと知りたい 妊娠と男女のカラダのしくみ :その1

Mocosuku(もこすく)
  • いつか産む日のための準備!妊娠や避妊、きちんと知りたい 妊娠と男女のカラダのしくみ :その1

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

いつか産む日のための準備!妊娠や避妊、きちんと知りたい 妊娠と男女のカラダのしくみ :その1

公開日時

妊娠と男女のカラダのしくみ :男女のカラダのしくみ

 
では、男女のカラダのしくみを見てみましょう。
 

【男性のカラダ】

男性の生殖器には、以下のものがあります。
 
・精液と尿をカラダの外へ放出する陰茎(ペニス)
・精子の元となる細胞がつまった精巣(睾丸)
・精子を成熟させる精巣上体(副睾丸)
・精子の通り道となる精管
・精子の運動能力を高める分泌液(精漿)を作り出す精嚢
・精子の運動能力を高める分泌物から精液を作り出す前立腺

 

精巣にある精子の元となる細胞が、精巣上体で成熟して精子となり、精管や精嚢、前立腺を経て、運動性を獲得し、精液の中に蓄えられます。射精の時は精嚢の中から前立腺を通り、尿道を経て体外へ放出されます。
 
1回の射精で放出される精液は、およそ2ml以上。精液1mlあたり、およそ1億個の精子が入っていると言われていますが、年齢や体質、体調などにより、実際の数は変動します。
 

【女性のカラダ】

女性の生殖器には、以下のものがあります。

 
・赤ちゃんを育てる子宮
・精子を取り込むための粘液を出す子宮頸管
・子宮と外陰部をつなぐ膣(出産時は赤ちゃんの通り道)
・卵子を作りだす卵巣
・卵子の通り道となる卵管

 
実は、卵巣と卵管はぴったりとはくっついていません。卵管の先端には卵管采とよばれるイソギンチャクのような形をした部分があり、これが排卵された卵子を上手にキャッチして、卵管の中へ取り込みます。
 
 

妊娠と男女のカラダのしくみ :生理(月経)周期の4つの時期とは?

 
女性には生理(月経)周期がありますが、これには大きくわけて4つの時期があります。
 

卵胞期

卵巣の中にある卵子の元となる原始細胞が、脳からの卵胞刺激ホルモンにより、成熟した卵胞(卵子の入った袋)へと成長する時期。成熟した卵胞は卵胞ホルモンを分泌し、子宮内膜をふかふかに増殖させます。
 
 

排卵期

卵胞ホルモンの量が一定になると、脳からの卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌量が、急に増えます。この2つのホルモンの働きによって、成熟した卵胞は、卵子を排出します。これが“排卵”です。
 
 

黄体期

排卵した卵胞は、袋だけになって“黄体”と呼ばれるようになります。主に黄体ホルモンを分泌し、子宮内膜を妊娠に適した状態に整えます。
 
ところが!妊娠が成立しなかった場合、黄体は役割がなくなってしまい、徐々に機能が衰えます。
 
 

月経期

女性ホルモンの分泌量が減ることで、子宮内で行われていた妊娠準備も不要になります。ふかふかのお布団のようになっていた子宮内膜がはがれ落ち、血液とともに子宮口から排出されます。これが月経血と呼ばれるものです。
 
 

女性のカラダは、およそ25~38日をかけて、毎回、このサイクルを繰り返しています。妊娠に適している時期は、排卵期の数日程度なのですが、いつが排卵期なのかが分かりにくいため、基礎体温をつけておおよその予測を立てることになります。
 
女性の場合、おおよその目安として“月経期”や“卵胞期”がいわゆる“安全日”といわれることもありますが、実際にはいつ排卵しているのか分からないため、“比較的妊娠しやすいと思われる日”はあっても、“絶対に妊娠しない日”はありません。もし望まない妊娠をさけたいのであれば、しっかりと避妊してください。
 
<取材協力>
バイエル薬品株式会社
 
 
太田郁子先生・倉敷平成病院婦人科医長
 
<監修者プロフィール>
太田 郁子(おおた・いくこ)
倉敷平成病院婦人科医長、医学博士、日本子宮内膜症啓発会議実行委員
 
<執筆者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【妊娠(その他)】新着記事

妊婦さんはとくに気をつけたい、チーズなどにいる細菌「リステリア」

妊婦さんはとくに気をつけたい、チーズなどにいる細菌「リステリア」

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 妊娠中はお腹の赤ちゃんのためにしっかりと栄養を摂りたいもの。 しかし、なかには妊婦さんが控えたほうが良い食品もあり...

2019/08/02 18:30掲載

妊娠も出産もしていないのに母乳が…  どうして?

妊娠も出産もしていないのに母乳が… どうして?

執筆:青井 梨花(助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 多くの方は「母乳とは赤ちゃんを育てるためにお母さんが生産するもの」と思うでしょう。 ところが、妊娠もしていないし、出産後でもないのに、...

2017/12/25 18:30掲載

男性でも? 「妊娠線」ができる人と、できない人

男性でも? 「妊娠線」ができる人と、できない人

執筆:Mocosuku編集部 監修:坂本 忍(医師・公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ) 妊娠したときなどに、お腹や太ももに細い線が何本もできる妊娠線。 妊娠線は「頑張...

2016/09/08 21:30掲載

知ってる? 「妊娠中に食べるといいもの」

知ってる? 「妊娠中に食べるといいもの」

執筆:山本ともよ(管理栄養士) 妊娠中はバランスの良い食事を心がけることが大切です。それに加え、妊娠中には特に積極的に摂って欲しい栄養素があります。妊娠中の食事法についてご紹介します。 積極的に摂...

2016/05/23 12:30掲載

ナゼ起こる? 妊娠による心境の変化について

ナゼ起こる? 妊娠による心境の変化について

ここではたくさんの妊婦さんを看てきた助産師による、「 妊娠による女性の心境変化 」についてご紹介します。 妊娠による女性の心境変化 :「お母さん」らしくなる時期はいつ? 出産後の女性はよく、「お母さん...

2016/02/24 20:30掲載

実際はしてない「想像妊娠」  どうしてなるの?

実際はしてない「想像妊娠」 どうしてなるの?

実際には妊娠していないのに、妊娠したような様々な兆候や症状が実際に身体にでてくることを「想像妊娠」といいます。精神状態が身体に影響を及ぼすのです。 誰にでも(たとえ男性でも)起こる可能性はあります。 どのよう...

2016/02/21 21:30掲載