女性に多いバセドウ病 は甲状腺機能のコントロールが鍵!

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女性に多いバセドウ病 は甲状腺機能のコントロールが鍵!

公開日時

女性に多いバセドウ病 の治療方法は?

 

バセドウ病の治療では、チアマゾールやプロピルチオウラシルのような抗甲状腺薬の服用が中心になります。バセドウ病では甲状腺ホルモンを正常に保つことが最も重要です。女性の場合、妊娠中は普段より多くの甲状腺ホルモンを必要とするため、自然とよくなりますが、出産後に悪化することがあります。妊娠中に症状が軽くなった反動ともいえるでしょう。

 

抗甲状腺薬で改善しない場合は、アイソトープ治療という選択肢もあります。アイソトープ治療では、甲状腺に集まる性質を持った放射性ヨードを含むカプセルを服用します。副作用や再発が少ないという利点がありますが、甲状腺の機能が低下してしまうリスクもあります。

 

さらに、過剰にホルモンを分泌している甲状腺を外科的に切除することも可能です。ホルモンの分泌元である甲状腺を切除すればホルモンが過剰に作られるのを防ぐことができます。ただし、甲状腺を部分的に切除する場合、甲状腺をどの程度残すかの判断が難しく、量が多いと再発し、少ないと機能が低下しすぎてしまいます。甲状腺を全部切除すれば再発の心配はなくなりますが、甲状腺機能が低下するため、甲状腺ホルモン薬の内服が必要です。医師とよく相談し、納得した上で治療法を選択することが大切です。

 

 

甲状腺疾患は薬物療法を選択するにしろ手術を選択するにしろ、甲状腺機能を常にコントロールすることが求められます。日々ハードなトレーニングを行い、最高のコンディションを作らなければならないトップアスリートにとって、大きな負担になることは容易に想像できます。これを乗り越えての金メダルだけに、星選手の活躍はなおさら大きな感動を与えてくれました。

 

一般的には、バセドウ病が社会生活に与える影響はそれほど多くありません。合併症などがなければ日常生活の制約はほとんどないからです。スポーツや旅行もでき、特別な食事療法も必要ありません。医師から処方された薬を服用し、血液中の甲状腺ホルモン濃度を正常に保っていれば、大きな問題はないでしょう。

 

執筆:斉藤雅幸(Mocosuku編集部)

監修:坂本 忍(医学博士)

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