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本当に怖い! 脳震盪のセカンドインパクト・シンドローム
もうひとつ、脳震盪で怖いのは「セカンドインパクト・シンドローム(症候群)」です。これは、一度目の脳震盪を起こしたあと、短期間に2度目の衝撃を受けることで、脳に重大な損傷が生じて重篤な症状に陥ることです。場合によっては重い障害が脳に残ったり、死亡したりすることもあります。
2014年8月26日に、当時マンチェスター・ユナイテッドに所属していた香川真司選手が、試合中に脳震盪で途中交代したことがありました。その1か月半後の10月10日、日本代表でジャマイカと戦った時、脳震盪の症状を試合後に訴え、次の14日のブラジル戦では出場を見送られました。
このとき、専門家の中に香川選手が短期間で2度も脳震盪を起こしたことの深刻さを訴える人がいて、スポーツ紙などで報じられました。なぜなら、「セカンドインパクト・シンドローム」の危険性をはらんでいたからです。
脳震盪のセカンドインパクト・シンドローム :スポーツ界は脳震盪防止に注力!
決して珍しいものではないスポーツ選手の脳震盪。かつては「よくあること」と重視されないこともありましたが、ここ最近では、重い後遺症や死亡につながる場合があると、慎重な対応が世界中で求められています。
アメリカのAnalysis Research and Planning Corporation誌(2014年9月)では、スポーツ時における脳震盪などの影響で、元NFL選手は脳障害から脳の病気にいたる発症率が上がることが発表されました。筋萎縮性側索硬化症:ALS、認知症やアルツハイマー病などの発症率が、一般人の約2倍もあるとのこと。「脳震盪である可能性があるなら競技や試合出場を中止する」のが、現在のスポーツ医学では主流の考えになってきました。
日本サッカー協会は「Jリーグの脳振盪対策への指針」を策定していますし、日本ラグビーフットボール協会も「脳震盪ガイドライン」を設けるなど、日本のスポーツ界でも脳震盪防止対策に取り組むところが増えています。
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