いくつになってもキレイでいたい! 高齢女性の美容整形

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いくつになってもキレイでいたい! 高齢女性の美容整形

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 高齢女性の美容整形 :容姿の変化は、健康状態の実感に影響

 

高齢の女性の美容と健康の間にはどのような関係があるのでしょうか。この問題に関しては、資生堂と地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが共同で行った調査(2014年6月~2015年2月)があります。この調査は、介護福祉施設入所高齢者、回復期リハビリテーション病院入院高齢者、急性期病院外来通院高齢者、地域在住高齢者の合計404名に対して「化粧療法プログラム」を実施し、高齢者自身が感じる健康についての評価を質問形式で問うというものです。

 

化粧療法プログラムというのは、専門スタッフと一緒に、参加者自身が化粧を楽しみながら行う教室形式のプログラムのことです。参加者はプログラム以外にも自宅や施設で毎日スキンケアを行います。その後、参加者自身の健康感を4段階で評価します。プログラムの前と後とを比較すると、「非常に健康だと思う」、「まあ健康な方だと思う」という回答が増加し、反対に、「あまり健康でない」、「健康でない」という回答が減少しました。この中で1段階以上改善した参加者が全体の22.2%を占め、主観的な健康度が統計的に有意に改善していることが分かりました。

 

 高齢女性の美容整形

 

高齢の女性が容姿に気を配ること自体、生きることへの高い意欲の現れてと考えられます。そして、実際にキレイになるのを自覚できると、自分自身の健康状態をより肯定的にとらえられるようになります。美容整形は容姿に対する直接的なアプローチであり、意欲や健康状態の自己評価にも貢献してくれるはずです。

 

一般的に、美容整形を選択する若者と高齢者の動機は異なっているといわれています。若い人は、目をこうしたい、鼻をこうしたい、という理想像をもっています。これは一種の変身願望に近いといえるでしょう。一方、高齢の人の多くは、自分の顔を変化させたいというよりも、ほうれい線を消したい、下がったまぶたを元に戻したい、シミをとりたい、顔のタルミをとりたい、など加齢の影響を消したり抑えたりしたいという場合が多いようです。

 

いつまでも美しくありたいと思い続けるのは素敵なこと。化粧や美容整形はその手段となるものです。ただし、注意しておきたいのは、美容整形は医療行為だということです。体にメスを入れることには、一定のリスクがともいます。気軽に行えるイメージのあるレーザーや注入療法に関してもリスクはゼロではありません。信頼できる医療機関を受診し、主治医とよく相談することが大切です。

 

<参考>

資生堂、健康寿命延伸に「化粧サービス」(化粧療法プログラム)の有効性を確認 経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」にて検証

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000301.000005794.html

監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)

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