がんの遺伝 にそなえて乳房と卵巣の切除をするのはアリ?

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がんの遺伝 にそなえて乳房と卵巣の切除をするのはアリ?

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がんの遺伝 不安な人は「遺伝相談(カウンセリング)」を受けることも

遺伝疾患の患者やその家族、あるいは遺伝についての不安や悩みを抱えている場合や、自分に「遺伝性腫瘍ができるのではないか」という不安な場合には、「遺伝相談(カウンセリング)」を受けることができます。ここでは遺伝に関する情報の提供、遺伝子検査を受けるべきかどうか、どのような治療が適切なのかといった相談に乗ってくれます。

 

一般的には、カウンセラーに詳細な家族歴を話し、カウンセラーが家系図を作成して、それらの情報から家族性腫瘍かどうかを、まず判断します。家族性腫瘍が疑われる場合は、その病気についての情報を提供してくれます。そして、「若くしてがんに罹患した人がいる」「家系内に何回もがんにかかった人がいる」「家系内に特定のがんが多く発生している」といった特徴がある場合には、「遺伝子検査」を勧められることもあります。

 

もちろん、カウンセリングを受けた人が必ず遺伝子検査をするとは限りませんが、遺伝子検査をする前には、必ずカウンセリングを受けます。その際には次のことを教えてくれるでしょう。

 

・検査はどのくらいの精度なのか
・検査結果をどう解釈すればいいのか
・誰にどのように検査結果が影響を及ぼすか
・子どもや家族の検査はどうするべきか
・手遅れにならないようにがんを見つけるにはどうしたらいいか
・どんな予防法があるか

 

がんの遺伝 遺伝子検査はどうやって受けるの?

まず自分が遺伝性の何の疾患について、心配しているのか、その心配している部位の科を受診してみてください。そこでドクターに遺伝について、「調べたい、カウンセリングを受けたい」ということを話すことで紹介してくれるでしょう。

 

遺伝子医療外来などをしている施設もあるので、相談に乗ってみましょう。全国でまだ70施設ほどですから、事前に遺伝相談をやっているかどうか確認してから受診しましょう。費用はだいたい20~25万円ほどが相場です。

 

がんの遺伝 遺伝性腫瘍症候群

遺伝性腫瘍症候群は、原因となる遺伝子が明らかになっていて、その変化によってがんが発生しやすくなる疾患を指します。遺伝性腫瘍症候群の中には、臨床症状だけで診断される疾患と、遺伝子検査によって遺伝子に変化が見つかって診断される疾患とがあります。

症状が出る前に自分ががんに罹患しやすいか否かを判断するには、遺伝子検査が必要です。

 

 

執筆:南部洋子(看護師)
監修:坂本 忍(医者)

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