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SNSとプライバシーとの関係は?
SNS(Social Networking Service)は、人と人との繋がりを電子化するサービスですが、ご存じのように、投稿内容の公開範囲が不特定多数にわたるものも存在します。
例えば、Facebookで公開範囲を限定しないで、個人情報を掲載した場合に、事案によってはその部分については承諾がある、すなわちプライバシー権を放棄したと評価されることもあるでしょう。
もっともこれについても、SNS外でこれを公表しようとする人の表現の自由との調整の問題もありますし、SNS外での公表は承諾していないと考えることもできます。
LINEもまたSNSの一つですが、主として特定人との間で行うテキストチャットとして使用されていることが多く、トーク相手・グループ以外には公表されることは想定していません。
それゆえ、プライバシー保護の必要性は、公表範囲の広い他のSNSと比べた場合には、より高いという議論もありうるでしょう。
その他、会話の主体や会話の内容などが民事上の責任の成否の考慮要素であることは前述のとおりです。
結び
情報化社会の深化・複雑化とともに、何がプライバシーかの判断もまた複雑になっています。
プライバシーに関わる紛争に巻き込まれないためにも、自分の情報をどの範囲でコントロールするのか、他人のプライバシー権の侵害を行っていないか、一度立ち止まって考えてみることも大切ではないでしょうか。
執筆:荒内智美(弁護士)
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