アナタの会社ではどう? SMAP謝罪はパワハラか

Mocosuku(もこすく)
  • アナタの会社ではどう? SMAP謝罪はパワハラか

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

アナタの会社ではどう? SMAP謝罪はパワハラか

公開日時

先日、解散騒動によりファンを始め関係者の方々に心配をかけたとして、SMAPのメンバーによる謝罪会見が行われました。
解散騒動に至った真実の経緯については、当事者以外には知る由もありませんが、一部では、所属事務所による謝罪の強要ではないかといった意見も出ています。

 

また、少し前には、衣料品店の店員に対して土下座を強要し、店員が土下座している写真をインターネット上で公開した悪質クレーマーが強要罪で逮捕されるという事件もニュースとなり、近時、「謝罪の強要」という問題への関心は高まっています。
他方、業務上の注意・指導やクレームの手法として、謝罪を求めることが一切否定されるかというと、もちろんそうではありません。

 

そこで、今回は、謝罪という行為の性質に照らしつつ、どういった行為がパワハラになってしまうかという観点から説明したいと思います。

 

人格否定を伴う謝罪を要求したり、大勢の従業員が見ている前で謝罪を要求することはNG

 

パワハラとは、職場での地位の優位性を背景に、「業務の適正な範囲を超えて」精神的・肉体的苦痛を与え、過度にストレスを蓄積させる行為をいいます。
暴行・傷害、侮辱・暴言、隔離・無視といった行為はもちろん、業務上明らかに不要な仕事あるいは本人の能力・経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる行為や、私的なことに過度に立ち入る行為も含まれます。

 

例えば、部下の犯したミス等について上司が部下に対して謝罪を求めるケースについて考えてみると、部下の犯したミス等について上司が謝罪を求める場合というのは、通常、ミスの原因及びその重大性を正しく認識させることで、同じミスを繰り返すことを防ぐという指導上の目的に基づいて行われるものですので、当該目的を達成する上で必要な限度で謝罪を求めたに過ぎないのであれば、業務の適正な範囲に基づく行為としてパワハラには当たらないといえるでしょう。

 

これに対し、「この度は私が能無しだったため、ミスを犯してしまいました。申し訳ありません。」などのように、人格否定を伴う内容の謝罪を求めたり、大勢の従業員が見ている前での謝罪のように、徒に羞恥心を辱めるような形で謝罪を求めることは、業務の適正な範囲を超えるものとしてパワハラに当たってしまうでしょう。

 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【ハラスメント】新着記事

子育て時に発見した“自分の毒”  「毒親」からの影響

子育て時に発見した“自分の毒” 「毒親」からの影響

執筆:玉井 仁(臨床心理士) 明確な虐待を加えるわけではないものの、価値観や規範を押しつけることによって、子供を精神的に苦しめてしまう親。 いわば、自分の子供に対してモラルハラスメント(モラハラ)...

2016/12/25 21:30掲載

「毒親」の影響で“自分の基準がなかった”というお話

「毒親」の影響で“自分の基準がなかった”というお話

執筆:玉井 仁(臨床心理士) 価値観や規範を押しつけることによって子供を精神的に苦しめてしまう親を指して、「毒親」と呼びます。 毒親は、自分の子供に対してモラルハラスメント(モラハラ)を働く親とも言え...

2016/11/28 21:30掲載

「毒親」から「毒抜き」 をした女性のお話

「毒親」から「毒抜き」 をした女性のお話

執筆:玉井 仁(臨床心理士) 自分の身勝手な価値観や行動で、子供を物理的にも精神的に苦しめてしまう親。 最近ではそうした親を指して「毒親」(毒になる親)と呼びます。 今回ご紹介するのは、...

2016/10/05 21:30掲載

生きづらさや違和感の原因にも?「毒親」とは

生きづらさや違和感の原因にも?「毒親」とは

執筆:玉井 仁(臨床心理士) 「毒親」または「毒になる親」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?  これは本来子供にとって最大の理解者であり味方であるはずの親が、逆に子供に対して害をなしてしまう...

2016/09/22 21:30掲載

理由は妻のモラハラ? 「帰宅恐怖症」になる夫の心理

理由は妻のモラハラ? 「帰宅恐怖症」になる夫の心理

妻の態度や暴言に恐怖を感じ、妻のもとへ帰るのが苦痛で、自宅に帰ることができなくなってしまう夫が増えているそうです。 こうした状態は「帰宅恐怖症」と呼ばれ、新たな夫婦関係の問題として話題にのぼっているとか。 ...

2016/07/07 18:30掲載

脱「スメハラ」! 靴の臭い対策はコレで

脱「スメハラ」! 靴の臭い対策はコレで

執筆:磯部尚美(ハーバルセラピスト) 最近耳にするようになった「スメハラ」=smell harassment。 「臭いで他人に不快な思いを与えてしまう」ことです。 もしかしたら、あなたも自分が気...

2016/04/04 18:30掲載