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遠距離の 施設介護をお金 で選んだ結果、親子関係が良好に
介護施設に入居したことで、Cさんと父親の関係は激変しました。
母親を早くに亡くし、長らく父親と2人暮らしでしたが、元来性格が合わないのか、会話を交わすことはほとんどなし。たまに父親が話しかけてくることと言えば、独身のCさんの結婚についてか仕事について。しかもほとんどが否定的な内容で、Cさんも話したくもなく、つい自分の部屋にこもりがちになっていました。
そんなある日、Cさんが仕事で深夜に帰宅してみると、父親が階段から落ち、腰の骨を折る大けがを負いました。幸い手術は無事成功しましたが、足が不自由になり、身体の筋肉も衰え、寝たきり状態に。在宅介護か施設介護の選択を迫られました。
折り合いが悪い父親とのこともあり、Cさんは迷わず施設介護を選択。ただ、Cさんの収入を考えると、都内近郊の有料老人ホームはとても手が出ず、安価な特別養護老人ホームはもちろん入居待ち。親戚は「少しでも近くで顔を見せてあげた方がいい」と、在宅介護という選択肢も再び持ち上がりましたが、折り合いの悪い父親にやさしく接する自分は想像できませんでした。結果「距離よりもお金」で郊外の安価な施設を選び、入居させるにいたりました。
いつ終わるかわからない 介護 では お金 が大事
少しでも家族と頻繁に会えるよう、施設は近くの方がいい、という意見を持つ人が多くいます。
Cさんも「父親と仲が良ければ」と前提付きでその意見も納得しますが、特に都内に住む人であれば「距離よりもお金」を取る選択肢も頭に入れておいた方がいい、と強い思いで語ります。
「特に施設介護は、毎月決まった支出があり、いつ終わるともしれない介護では出費は少ないに越したことはないと思います。事実、私も少し無理をすれば都内の施設にも入れられましたが、自分だって仕事がいつまで続けられるか分かりませんから。そんな先の見えない状況では、精神的にも行き詰まっていたでしょう。そういう意味でも私の選択肢は、間違っていなかったと確信しています」
ただ、Cさんの場合は、父親が入居した施設の環境やスタッフに恵まれていたことが、この選択にとって幸運だったとことも付け加えなくてはなりません。高額だからといって必ずしもいいサービスが受けられる訳ではないですが、安いからこそいい施設を選ぶ努力は、惜しまない方が良さそうです。
※この話は実話を元に、脚色を交えて構成しています。実在の人物や場所などとは一切関係ありません
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