「学歴詐称」はどんな罪?

Mocosuku(もこすく)
  • 「学歴詐称」はどんな罪?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

「学歴詐称」はどんな罪?

公開日時

依頼された仕事で報酬を得ていた場合、「詐欺罪」は適用される?

 
では、ホームページに記載されていた学歴を信じて業務を依頼し、報酬を支払った人がいた場合、事実と異なる学歴を掲載して報酬を得たことについて、詐欺罪(刑法第246条1項)が成立するのでしょうか。
 
ホームページに事実と異なる学歴を記載していたとしても、業務を依頼するときは学歴以外の種々の要素をも考慮することが通常です。
学歴が契約の要素として重視されているような場合でない限り、財産的処分行為の判断の基礎となる「重要な事項を偽る行為」と評価して詐欺罪の成立を認めることは困難でしょう。
ちなみに「国会議員になる」など公職に当選するという目的をもって、
経歴について虚偽の事項を公にした場合は、公職選挙法235条1項に違反し、2年以下の禁固又は30万円以下の罰金に処せられることになります。
 
 

学歴詐称して企業に入社した場合は?

 
履歴書の学歴を詐称して企業に入社した場合、いかなる責任が生じるのでしょうか。
 
就業規則の内容や、詐称された経歴の重要性、業務への影響などにもよりますが、「重要な経歴の詐称」は、懲戒処分の対象となることがあります。
 
「重要な経歴の詐称」にあたるとされる主なものは、
最終学歴や、学歴以外では犯罪歴の詐称ですが、詐称の内容や当該労働者の職種などに即し、具体的に判断されます。
 
また、最終学歴の詐称には、低い学歴を高く詐称することばかりではなく、高い学歴を低く詐称することも含まれます。
雇用契約ではなく、コンサルタント業務のように個別の委任契約を締結していた場合にいかなる民事上の責任を負うかは、個別具体的な契約内容によって異なることになります。
 
学歴詐称は、芸能人やコメンテーターだけではなく、企業で働く場合にも大きな問題になりますので、十分注意しましょう。
 
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【時事】新着記事

かかりつけ薬局とは違う『健康サポート薬局』 知らなきゃもったいない!!

かかりつけ薬局とは違う『健康サポート薬局』 知らなきゃもったいない!!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 近年、薬や薬局にまつわる制度が大きく変化しています。 2016年4月からスタートした「かかりつけ薬剤師制度」では、“患者のための薬局”...

2019/07/26 18:30掲載

世界中が重要視! 『薬剤耐性(AMR)』の拡大を防ぐ対策

世界中が重要視! 『薬剤耐性(AMR)』の拡大を防ぐ対策

執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 「風邪をひいたら抗生剤!」 そんな風に思っていませんか? 一般的に抗生剤と呼ばれる抗菌薬は、実は風邪などのウイルスには効...

2019/06/14 18:30掲載

女性の健康知識(ヘルスリテラシー)は仕事にも影響!?

女性の健康知識(ヘルスリテラシー)は仕事にも影響!?

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 日本医療政策機構が行った調査で「女性の健康知識(ヘルスリテラシー)の高さが仕事のパフォーマンスに影響する」という非常に興味深い結果が示されま...

2019/06/04 18:30掲載

掃除・洗濯・料理だけじゃない 「名もなき家事」に注目!!

掃除・洗濯・料理だけじゃない 「名もなき家事」に注目!!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 女性が働きやすくなった社会的背景などもあいまって、共働き世帯が増加している日本。 しかし、家事の負担はいまだに妻に大きく偏っていると指摘...

2019/05/31 18:30掲載

「がん治療と仕事の両立」 利用できる制度と厳しい現実

「がん治療と仕事の両立」 利用できる制度と厳しい現実

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ かつては「不治の病」といわれた「がん」。 しかし、診断技術や治療方法の進歩によって、今では格段に生存率が向上しています。 入院日...

2019/05/28 18:30掲載

どう乗り越える? 「育児」と「介護」の『ダブルケア』

どう乗り越える? 「育児」と「介護」の『ダブルケア』

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 日常的に育児と介護の両方を同時に行う「ダブルケア」。 世界のなかで未曾有の超高齢社会に突入している日本。 加速する少子化に加え、...

2019/05/24 18:30掲載