目には目、肝臓にはレバー。 薬膳の「同物同治」

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同物同治を栄養学的に見ると

 
まずお断わりしておきたいのは、「特定の食品で『病気を治す』ことはできない」ということです。
 
不調時における栄養素の働きは、あくまで原因となっている栄養不足を補ってその改善を助けることにあります。
 
これらを踏まえた上で、同物同治を考えてみましょう。

 
 

例えば、「内臓の不調」を感じやすいのはどんな時でしょうか? 
 
疲労が溜まっている時、お酒を飲んだ時、精神的なストレスが過度にかかった時、風邪などの病気にかかった時、などが考えられます。

 

このような時に共通して不足しがちな栄養素は、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、鉄、亜鉛などです。レバー、ミノ、ハチノス、マメなどの「モツ」には、タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛が多く含まれており、まさに理に適った食材だと言えます。

 

また、眼肉には不飽和脂肪酸やビタミンA、ビタミンB群が豊富に含まれています。これらは眼精疲労の予防や改善に必要な栄養素です。これもまた、理に適った食材と言えます。

 

ただし、今のところ「同物同治は常に当てはまる」という医学的根拠はありません。

 
 

「同物同治」が危険なことも

 
その動物が食べた物を消化・吸収する器官である内臓や、脳みそ、眼肉など、普段食べ慣れない部位には食中毒を引き起こす細菌や毒素、有害物質が残存している可能性があります。

 

処理や調理が適切でないと、弱った身体にさらに負担をかけてしまうことになります。現在では、食肉の加工の基準も厳格化されつつありますが、食材は「よく洗う・しっかり加熱する」を守ることが大切です。

 
 

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