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執筆:玉井 仁(臨床心理士)
価値観や規範を押しつけることによって子供を精神的に苦しめてしまう親を指して、「毒親」と呼びます。
毒親は、自分の子供に対してモラルハラスメント(モラハラ)を働く親とも言えます。
今回は、実際のカウンセリングの事例から、毒親の影響に気づいたという30代の男性の話を紹介します。
仕事がラクになったのに「抑うつ」状態に
30代のけんじさん(仮名)は、専門職として現在の職場に採用されて5年になります。
以前の会社では、毎月の残業が100時間超という激務にこのままでは燃え尽きてしまうのではないかという恐れを抱いたことと、新しい職場でキャリアの可能性を広げたい、という思いで転職を決めました。
そのけんじさんがカウンセリングを受けたきっかけは、仕事に対するモチベーションが落ちてしまったこと。
以前と違っていまの職場は残業時間も少なく、体調的にはかなり楽になりました。新しいプロジェクトにも加わり、スキルアップに励んでいる最中です。
それなのに、仕事に対して前向きに取り組めなくなってきたのです。
それどころか、家庭で子供の相手をするのもおっくうになり、何も楽しめない、何もしたくない、という状態になってしまいました。
精神医学で「抑うつ」と言われる症状です。
見かねた夫人に病院に行くことを勧められ、会社が契約している外部相談窓口を利用することにしたのです。
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