冬の厚着は肩がこる?

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冬の厚着は肩がこる?

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厚着が肩こりに関係あるってホント?

 
厚着は肩こりに影響します。
 
具体的には、厚着することによって「肩甲骨の動きが悪くなる」「血流が悪くなる」「服の重さ」という3つの要素が影響しています。

 
厚着して腕を上げたり、後ろに回したりしてみましょう。Tシャツ1枚の薄着に比べて、肩甲骨を動かしにくいことが分かります。
 
また厚着するために、下に身体にフィットした服を着ることも多くなるようです。
 
適度に身体にフィットしている場合は問題ありませんが、身体を締めつける程のきつい服装は、かえって血流の悪さにつながります。
 
さらに厚着する服の重さ自体も関係しています。重いジャケットやコートなどは、肩に重みがかかり、筋肉の強ばりにつながります。
 
またシャツやセーターを着込もうとすると、少し大きめのコートを選びがちです。肩の大きさが合わないコートは、コートの重みを分散できず、肩に負担をかけてしまいます。

 
 

肩こりを防ぐには「動きやすさ」「衣類の軽さ」「保温」

 
寒い日の外出に、コートなどを着ないわけにはいきません。
 
寒さで身体が冷えると、全身の血流が悪くなります。また寒さで身を縮こまらせ、猫背になりがちなことからも肩こりにつながります。

 
そこで、肩こりにならない服装選びのポイントを紹介します。
 
 
1.動きやすい服装を選びましょう
寒さ自体で肩こりを招くこともありますが、単に厚着をして温かくすれば良いというわけではありません。身体を締めつけたり、肩まわりの動きを制限しない服装を選びましょう。
 
肩幅に合った上着を選ぶことも大切です。

 
 

2.軽い素材を選びましょう
コートやジャケットは、軽い物の方が肩への負担がありません。TPOによって選べる範囲が限られることもありますが、ウールよりもダウンなどの素材が軽くて良いでしょう。

 
 

3.保温性を意識しましょう
軽くて身体が動かしやすくても、保温性が無ければ体は冷えて、肩が凝ってしまいます。素材の中でも、ダウンは保温性が高いことで知られています。
 
また身体を温めるという点から、ショート丈は控えましょう。逆に丈が長いと重くなり、動きにくさにもつながるので注意しましょう。

 
ホットカイロを使うのもおすすめです。
 
とくに、首の後ろには血液が集まるポイントがあります。肩甲骨の間を温めると、カイロで温かくなった血液が全身に広がり、身体の内側から保温されます。肩甲骨まわりの筋肉を温めることもでき、肩こりの解消にもつながります。
 
 
寒さで厚着をしたくなる気持ちもわかりますが、できれば快適に過ごしたいものです。

 
重ね着しすぎて動きにくくなると、動くこと自体がおっくうになりがちです。何度もお伝えしていますが、動かさないことは血流の悪さや筋肉の強ばりの原因となります。
 
身体にあった服装選びで、肩こり知らず、運動不足知らずの快適な冬を過ごしましょう。
 
 
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
 

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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