起きたいのに、起きられない…。病気なの?原因は?

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起きたいのに、起きられない…。病気なの?原因は?

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朝起きられなくなる病気って?

 
睡眠は、環境や生活習慣に大きく影響を受けます。しかし、それ以外にも朝起きられなくなる原因として、次のような病気も考えられます。
 
 

睡眠相後退症候群(すいみんそうこうたいしょうこうぐん)

「睡眠相後退症候群」とは、睡眠の時間帯が遅い時間にずれてしまう状態、昼夜が逆転した状態です。なかなか寝付くことができず、眠る時間が遅くなる一方で、寝付くとぐっすりと寝てしまうため、朝早く起きることができません。
 
無理に起きても、頭痛や頭が重い、眠気が強い、食欲の低下や疲れやすいといった症状がみられます。
 
思春期~青年期に発症しやすく、体内時計そのものが壊れている、体内時計を調整する働きがうまくいかないことが原因と考えられています。

 
 

起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)

「起立性調節障害」は、「自律神経」の調節が上手くいかないことで、本来午前中になれば活性化する「交感神経」が活動せずに、後ろにずれ込みます。身体を活性化させる「交感神経」が働かず、十分な血流が脳や全身にいかないため、朝起き上がることが辛くなるのです。
 
逆に夜には「交感神経」の働きが活動的なため、寝付けなくなります。思春期に多く起こる病気で、成長するにつれて症状が軽くなることが多いです。
 
しかし、成人してからもストレスなどが原因となって引き起こることもあります。
 
 

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている最中に呼吸が止まる病気です。呼吸が止まってしまうので、充分な酸素が脳と身体にいかず、それを補うために心拍数が増えます。
 
つまり、寝ている間も脳や身体に負担がかかっている状態なのです。そのため、時間としては充分にとっていたとしても、ノンレム睡眠が少ない、深い眠りが少なくなります。
 
朝起きられないだけでなく、日中も眠気がある、居眠りしてしまうといった症状もみられるのです。
 
 
朝起きられない原因をみてきました。朝起きられないことは、一日の始まりに影響を与えるものです。
 
また、それだけでなく睡眠に何らかの問題を抱えている可能性もあるのです。健康に過ごすためにも欠かせない睡眠。
 
朝起きられないことを意思の弱さのせいだけにせず、一度生活を振り返る機会としましょう。

 
 
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

 

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