「アドレナリンがでる」 アドレナリンとは?何が起こっているの?

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「アドレナリンがでる」 アドレナリンとは?何が起こっているの?

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自律神経との違いとホルモンの分類

 
自律神経もホルモンと同じように心身の機能を調節しますが、作られる場所や作用する範囲、伝達速度が異なります。
 
たとえば、ストレスを受けるとまず「交感神経」が反応して、次に「ホルモン」が働きます。
 
即効性を示す交感神経に対して、ホルモンは「ゆっくりじっくり」効き、血液を介するため広範囲に作用します。
 
ただし、微量で作用するホルモンは、過剰に分泌されたり不足したりすると心身に大きな影響を与えます。
 
この状態がいわゆる「ホルモンバランスの乱れ」なのです。
 
ところで、ホルモンは現在100種類ほどが認められていますが、今なお新発見が続いているといいます。
 
化学構造でみると次の4種類に分類されています。
 

アミノ酸誘導体ホルモン:アミノ酸が変化してできた水溶性ホルモン

ペプチドホルモン(別名、タンパク質ホルモン):アミノ酸がつながってペプチドになっている水溶性ホルモン

ステロイドホルモン:コレステロールが合成されてできる脂溶性ホルモン

脂肪酸誘導体ホルモン:脂肪酸から作られる脂溶性ホルモン

 
アドレナリンはこのうち、「アミノ酸誘導体ホルモン」に属しています。
 
 

アドレナリンの働き

 
「副腎」は左右の腎臓の上を覆うようについている臓器です。
 
内分泌腺の「副腎」には「皮質」と「髄質」とがあります。
 
アドレナリンはおもに副腎髄質で分泌されます。
 
一方同族のノルアドレナリンは、おもに神経伝達物質や交感神経から分泌されるほか、副腎髄質からも分泌されます。
 
両者ともに活発化すると脳や身体を緊張させたり、興奮させたりする働きを持っています。
 
アドレナリンは心拍数の増加、血糖値の上昇、気管支の拡張などに作用します。
 
ノルアドレナリンも、ホルモンとして緊急時に末梢の血管を収縮させ、血圧を上昇させるなどの働きをしています。
 
怖い体験をしたときに、先に作用するのはノルアドレナリンです。
 
そして、時間が経ってもしばらく心臓のドキドキが止まらない…という状況はアドレナリンの作用によるものです。
 
このように、いずれも身体の緊急時に対応をしながら、恐怖や怒り、不安や注意、集中、覚醒、鎮痛などに関与していることが分かってきています。
 
なお、アドレナリンは緊張・興奮系ホルモンの代表格ですが、快楽ホルモンとも呼ばれる「ドーパミン」からノルアドレナリンが生成され、そして、ノルアドレナリンからアドレナリンが生成されています。
 
つまり「ドーパミン」が、ノルアドレナリンとアドレナリンの前駆体(化学反応の過程である物質が生成される前の段階にある物質)なのです。
 
 

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