見つけにくいのにはワケがある? 採血と血管のお話

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見つけにくいのにはワケがある? 採血と血管のお話

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スムーズな採血のために

 
採血をする看護師さんに向けた、良い血管の見つけ方、血管の出し方の「コツ」として、次のような事項があります。
 

腕をだらんと下げてもらう

 腕を心臓より下に下げると、腕に血液が集まりやすくなり、血管の怒張を促す
 

親指を内側に握ってもらう

 親指を中に入れて握ると腕の筋肉が収縮して、血管が怒張しやすくなる
 

腕を温める

 肘正中皮静脈を蒸しタオルなどで温めると、血管が拡張して見えやすくなることがある
 

駆血帯をしめ過ぎない

 駆血帯がきつ過ぎると、動脈まで締めて血流が悪くなり、静脈の血管がさらに見えにくくなる
 

焦らない

 焦っても血管が見つかるわけではないので、じっくりと探すことが早道。
 患者さんにも安心感を与える
 

患者さんに聞く

 「いつもどの部位で採血しているか」を聞いてみる。
 患者さんの経験から教えてもらえることがある
 

軽くたたく

 肘正中皮静脈がある部位を指で軽くたたくと、血管が浮き出てくることがある(看護師間の経験則とも言われている処置)。
 患者さんに痛みを与えない程度でやってみること
 
 
看護師の基本的な手技という位置付けの採血ですが、看護師の間でも奥深くて難しいといいます。
 
患者の立場からすれば「できて当たり前」かもしれませんが、ご説明したとおり、細さ太さだけではなく血管の弾力性や脂肪なども関係して複雑なのです。
 
採血に適した血管を探すときに、互いに協力し合うことがスムーズな採血の近道かもしれませんね。
 
 
【参考】池谷敏郎/著『「しなやかな血管」で若返る!』(KKベストセラーズ 2013年)
 
 
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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