自分の皮膚をむしり取る? ココロの病気「皮膚むしり症」

Mocosuku(もこすく)
  • 自分の皮膚をむしり取る? ココロの病気「皮膚むしり症」

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

自分の皮膚をむしり取る? ココロの病気「皮膚むしり症」

公開日時

 
執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
カサブタが気になって剥がしてしまう…
吹き出物ができて、つい潰してしまった…
 
このような行為に至るのことはどなたも経験をお持ちではないでしょうか。あるいは経験はなくとも、その気持ちは理解できることと思います。
 
しかし、自分の皮膚の皮や爪などをむしり取って傷つける行為を繰り返していたのなら、それは注意が必要です。
 
「ついつい」や「クセ」を通り越して度が過ぎた先に「皮膚むしり症」という病気があります。
 
強迫性障害の関連障害として、メンタルな病気だと考えられています。
 
詳しくみていきましょう。
 

 

「皮膚むしり症」はどんな病気?

 
自分の皮膚を引っかいたり、むしったりする行為を繰り返してしまう「皮膚むしり症」。
 
部位は、顔や手がもっとも一般的です。
 
爪や針、ピンセットなどまで使って皮膚の小さな凸凹、吹き出物、硬くなった角質などをむしり取る行為が多く、皮膚を噛んだり強く擦ったりするケースもあります。
 
さらに、むしることで生じた皮膚の病変を、洋服や化粧で隠したりする人もいます。
 
しかし、むしることを楽しんでいるというわけではないのです。
 
むしったあとの出血を見て後悔し、そういう行為をやめようと何度も試みる様子も見受けられます。
 
楽しんでしている行為ではなく、やめようと思ってもやめられず、皮膚を傷つけ続けているという状況なのです。
 
ですから、「皮膚むしり症」は強迫性障害の関連障害に分類されています。
 
強迫性障害とは強迫観念と強迫行為を繰り返す精神疾患です。
 
自身の意に反して何度も迫ってくる不快なイメージが「強迫観念」、強迫観念から起こる不安によって「〇〇しないではいられない」行為に及んでしまのが「強迫行為」です。
 
皮膚むしり症の場合、むしる行為が強迫行為に相当しています。
 
正式に病名として診断基準に入ったのは『DSM-5(「精神疾患の分類と診断の手引き」最新版、アメリカ精神医学会 2013年)』からのことです。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【メンタルヘルス】新着記事

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 「トリプトファン」はアミノ酸の一種です。 トリプトファンが不足すると精神的に不安定な状態や不眠などを招き、やがて自律神経や体内リズムの乱れ...

2019/07/16 18:30掲載

春のメンタル不調…対策は早めが鉄則。適度な「ズボラ」も大事!

春のメンタル不調…対策は早めが鉄則。適度な「ズボラ」も大事!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ この春、多くの新入生や新社会人の方が新たな生活をスタートされたことと思います。 あるいは、家族の学校や仕事の変化に伴い、生活環境や生活...

2019/05/21 18:30掲載

今どきの「五月病」と最近増えている「六月病」…原因と対策

今どきの「五月病」と最近増えている「六月病」…原因と対策

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 例年、この時期になると話題になるココロの不調「五月病」。 今や言葉としてすっかり定着しましたが、最近は五月ではなく六月に同じような状態にな...

2019/05/14 18:30掲載

10人に1人とも言われる「産後うつ」は、予備知識も大事

10人に1人とも言われる「産後うつ」は、予備知識も大事

執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 産後のメンタルヘルス不調、いわゆる「産後うつ」は、今や10人に1人は経験するとも言われています。 出産という大仕事を果たした後...

2019/03/13 18:30掲載

大人の悪夢はストレスが原因? 『悪夢障害』とは

大人の悪夢はストレスが原因? 『悪夢障害』とは

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは悪夢に悩まされていませんか? 繰り返し見る悪夢によって睡眠が妨げられ、日常生活にまで支障を来す状態を「悪夢障害」と呼び、医...

2019/03/08 18:30掲載

芸能人にも多いパニック障害… 近年増加している理由は?

芸能人にも多いパニック障害… 近年増加している理由は?

執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 昨年、アイドルグループ「Sexy Zone」の松島聡さんが突発性パニック障害であることを公表し、芸能活動の休止を発表したことは記憶に...

2019/03/05 18:30掲載