人前で字を書くと異常に震える… 「書痙」は“書く”ことへの恐怖症

Mocosuku(もこすく)
  • 人前で字を書くと異常に震える… 「書痙」は“書く”ことへの恐怖症

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

人前で字を書くと異常に震える… 「書痙」は“書く”ことへの恐怖症

公開日時

精神的な要因(心因性)による書痙

 
極度のあがり症や社交不安障害を抱えている場合、他人に見られることを過剰に意識してしまって書痙が出現する人がいます。
 
強い緊張感や文字を書く行為への劣等感などが原因となります。
 
「人前で震えが悪化するタイプ」にはこのケースが多いとされています。
 
不安障害の一症状ですから、心理療法や抗不安薬の処方などが主な治療法となります。
 
 

ジストニアによる書痙

 
身体が意思とは関係なく動いてしまう「不随意運動」
 
無意識に筋肉がこわばってしまう不随意運動のひとつが「ジストニア」です。
 
「一人でリラックスしているときでもこわばりが発症するタイプ」の書痙は、このジストニアであると考えられています。
 
全身性のものと局所性のものとがありますが、書痙は「局所性ジストニア」に分類されています。
 
ジストニアは脳内の神経に起こる変調に原因があるとされ、その変調は次の理由で起こると考えられています。
 

遺伝性

 
全身性ジストニアに発展しやすく、全国に5,000人ほどの患者がいるといわれます。
しかし、病因となる遺伝子や病態についてはまだ解明されていないことも多いようです。
 

職業性

 
同じ動作や姿勢を反復的かつ高頻度で繰り返すことにより、脳神経に何らかの影響を及ぼして起こる脳の変調と考えられています。局所性ジストニアに多いといわれます。
 
音楽家、文筆業、アスリートなどによく見られるため「職業性ジストニア」とも呼ばれています。
コブクロの小渕さんは「発声時頸部ジストニア」を発症しました。
1年にも及ぶ治療とリハビリを成功させ、復活して活躍されている例は有名です。
 

脳障害の後遺症

 
脳卒中、脳炎、脳梗塞などの脳の疾患の後遺症として、ジストニア運動を引き起こすことがわかっています。
 

薬の副作用

 
抗精神病薬、抗パーキンソン病薬などの副作用として、ジストニア運動が出現することがあります。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【メンタルヘルス】新着記事

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 「トリプトファン」はアミノ酸の一種です。 トリプトファンが不足すると精神的に不安定な状態や不眠などを招き、やがて自律神経や体内リズムの乱れ...

2019/07/16 18:30掲載

春のメンタル不調…対策は早めが鉄則。適度な「ズボラ」も大事!

春のメンタル不調…対策は早めが鉄則。適度な「ズボラ」も大事!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ この春、多くの新入生や新社会人の方が新たな生活をスタートされたことと思います。 あるいは、家族の学校や仕事の変化に伴い、生活環境や生活...

2019/05/21 18:30掲載

今どきの「五月病」と最近増えている「六月病」…原因と対策

今どきの「五月病」と最近増えている「六月病」…原因と対策

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 例年、この時期になると話題になるココロの不調「五月病」。 今や言葉としてすっかり定着しましたが、最近は五月ではなく六月に同じような状態にな...

2019/05/14 18:30掲載

10人に1人とも言われる「産後うつ」は、予備知識も大事

10人に1人とも言われる「産後うつ」は、予備知識も大事

執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 産後のメンタルヘルス不調、いわゆる「産後うつ」は、今や10人に1人は経験するとも言われています。 出産という大仕事を果たした後...

2019/03/13 18:30掲載

大人の悪夢はストレスが原因? 『悪夢障害』とは

大人の悪夢はストレスが原因? 『悪夢障害』とは

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは悪夢に悩まされていませんか? 繰り返し見る悪夢によって睡眠が妨げられ、日常生活にまで支障を来す状態を「悪夢障害」と呼び、医...

2019/03/08 18:30掲載

芸能人にも多いパニック障害… 近年増加している理由は?

芸能人にも多いパニック障害… 近年増加している理由は?

執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 昨年、アイドルグループ「Sexy Zone」の松島聡さんが突発性パニック障害であることを公表し、芸能活動の休止を発表したことは記憶に...

2019/03/05 18:30掲載