暗いと見えにくい? そう感じたら「網膜色素変性症」の可能性も

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暗いと見えにくい? そう感じたら「網膜色素変性症」の可能性も

公開日時

視細胞の機能

 
視力、視野、色覚はものを見るために必要な3つの機能です。
 
視力は対象を見分ける力、視野は一点を見つめているときに同時に見える範囲とその感度、色覚は色の識別をします。
 
網膜の視細胞には、「杆体細胞(かんたいさいぼう)」「錐体細胞(すいたいさいぼう)」の2種類があります。
 
杆体細胞は網膜全体に多数分布して、暗いところでものを見る、周辺の視野を得る、といった働きを持ち視力と視野にかかわっています。
 
これに対して錐体細胞は眼底の中心にある黄斑(おうはん)部分に集中していて、明るいところでものを見分ける視力と色覚の機能を担当しています。
 
網膜色素変性症は、多くの場合最初に杆体細胞の働きが悪くなり、夜盲や視野狭窄が現れ、進行すると障害が黄斑部の錐体細胞に及んで視力も低下すると考えられています。
 
 

原因は遺伝性

 
網膜色素変性症の発病頻度は人口3,000~8,000人に1人の割合とされ、そのほとんどが遺伝による発病だとみなされています。
 
日本眼科学会によると日本での頻度は、常染色体優性遺伝17%、常染色体劣性遺伝25%、x染色体劣性遺伝2%と、さまざまな遺伝形式をとるとのこと。(※)
 
※参考:日本眼科学会『目の病気 網膜色素変性』(http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_shikiso.jsp)
 
 
また、家系内に患者がおらず遺伝形式が明らかではない「弧発例」が多いともいわれています。
 
これまで、発症の原因となる遺伝子は40種類以上報告されているようです。
 
しかし、それが当てはまるのは一部の患者で、まだ原因遺伝子の解明は途上であると考えて差し支えないでしょう。
 
 

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