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妊活中のアナタへ・・・積極的に摂りたい栄養素
バランスのよい食事が基本ですが、一般的に不足しやすい栄養素や生殖機能に関わる栄養素など、妊活中に特に摂りたい栄養素をご紹介します。
良質の脂肪酸(特にオメガ3脂肪酸)
オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸とも呼ばれ、以下のものが該当します。
*DHA(ドコサヘキサエン酸)
*EPA(エイコサペンタエン酸)
*α(アルファ)-リノレン酸
食品では、魚介類やくるみ、亜麻仁油、えごま油などに多く含まれます。
オメガ3脂肪酸は炎症反応をコントロールする働きがあり、生殖機能に重要な役目を果たします。
カルシウム
卵巣の機能が低下すると、骨にカルシウムを沈着させる作用を持つ女性ホルモンのバランスが崩れやすくなり、歯や骨がもろくなります。
カルシウムはどの世代においても不足している栄養素なので、妊活中はより積極的な摂取が推奨されます。
小魚や牛乳、チーズ、小松菜などに多く含まれます。
亜鉛
ホルモンの合成を助け、分泌の調整をする働きがあります。
さらに、抗酸化作用もあるため、細胞の老化予防にも効果が期待されます。
牡蠣、牛肉、チーズなどの、肉・魚類、穀類、木の実・種に多く含まれます。
ビタミンD
近年、ビタミンD不足が排卵障害に関係する可能性を示す研究結果が出ています。
ビタミンDは、しらす、卵、きくらげ、干しシイタケなどに多く含まれます。
食事から摂るほかに、日光浴によって体内で生成されます。
ですから、紫外線対策として日光に当たらない生活をしていると、ビタミンD不足を招くことが考えられます。
ビタミンE
ホルモンバランスの調整や血行促進、抗酸化作用があります。
カボチャ、アボカド、アーモンド、ごまなどに多く含まれます。
葉酸
葉酸はビタミンB群のひとつで、妊娠の可能性がある女性には特にサプリメントを活用して摂取してほしい栄養素です。
その理由は、妊娠4週目頃までの初期に葉酸が不足すると、胎児の脳や脊髄、中枢神経系のもととなる神経管の形成障害のリスクが高まることがわかっているからです。
厚生労働省からも、妊娠を計画している女性に対し、妊娠3か月までの期間は、食品から葉酸を摂ることに加え、サプリメントなどの栄養補助食品から1日400μgの葉酸摂取を奨めるという指針が出ています。
食品中の葉酸は、身体に吸収されにくく体内での利用率が50%以下といわれることや、水溶性ビタミンなので調理などで水に溶け出し損失されやすいという特徴があります。
一方、栄養補助食品に使用される葉酸は安定性があり、体内での利用率も高いことがわかっています。
ただし、1日900~1000μgをオーバーすると過剰摂取になります。
食事との兼ね合いやサプリメントの用法容量を守って、適量摂取を心がけましょう。
葉酸はその名のとおり、ほうれん草をはじめ、水菜などの葉物野菜に多く含まれています。
また、海苔や納豆、いちご、枝豆、卵などにも含まれています。
食事で十分に補うことに加えて、妊娠3か月まではサプリメントを活用しましょう。
ただし、あくまでも妊娠した時の赤ちゃんの発育障害の予防であり、妊娠するための栄養素ではありません。
鉄
妊活に限らず、鉄は一般的に食事で不足しやすい栄養素です。
月経中はさらに必要量が増すため、積極的に補う必要があります。
レバーや赤身の牛肉、小松菜、ほうれん草などに多く含まれます。
以上、妊娠したい女性が特に摂りたい栄養素をご紹介しました。
これらの栄養素が食事で十分に補えない時に、サプリメントを活用するのも一つの方法です。
おすすめできないサプリメント
このように、サプリメントの使途は「食事で補いきれない栄養素の補充」です。
つまり、食生活の中身によってサプリメントで補うべき栄養素は変わってきますので、次のようなサプリメントはおすすめできません。
特定の食材を売りにしているもの
マカやザクロなどは不妊によいと言われていますが、科学的根拠が正式に確立しているわけではありません。
食材に含まれる栄養素にはばらつきがあり、季節や生息地域によっても変わります。
つまり、サプリに特定の栄養素を期待しても、その含有量については明確ではない可能性が考えられます。
甘いドリンクやゼリータイプ
妊活中に取り入れる場合、妊娠するまである一定期間利用することが想定されます。
ですから、栄養素以外に砂糖などの甘味料が多く含まれていると、糖質の過剰摂取によって血糖値(血液中の糖質量)が過度に上昇し、細胞を老化させたり脂肪を蓄積しやすくしたりするため、生殖機能への悪影響を及ぼしかねません。
肥満も血糖値の上昇も、女性ホルモンのバランスの乱れや、卵巣機能の低下を引き起こすリスクを高める要因になります。
なお、昨今は甘いドリンクであっても血糖値の上昇に影響しない「合成甘味料」を使用した製品も出ており、「ゼロキロカロリー」「低カロリー」などと表記されています。
しかし、必要以上に強い甘みに慣れてしまうと、甘いものをとる習慣につながり、結果的に血糖値が上がりやすい状態になりかねません。
身体に必要な栄養素は毎日摂ることが大切です。強い甘みを習慣的に摂らないように気をつけましょう。
妊娠に影響する要素に「痩せ」という問題も絡んできます。
体脂肪が少ないとホルモン分泌の指令を出す脳下垂体の働きが抑えられ、月経不順や無月経などを引き起こす可能性があります。
このような状態のときに食事を減らし、サプリメントで補うというのは本末転倒です。
繰り返しお伝えしているように「バランスがとれた食事」を基本に、サプリメントを上手に活用することが「妊活サプリ」を選ぶときの大事なポイントです。ぜひ参考になさってください。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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