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ハチに刺されたときの応急処置
以下の処置は、局所症状か全身症状かに関わらず、ハチに刺されたときにしてほしい処置です。
1.速やかにその場所から離れる
2.患部をよく観察し、ハチの針が残っている場合は取り除く
3.患部を流水でよく洗って毒を洗い流す
4.虫刺され用の薬を塗る
5.患部を冷やす
ハチの針には毒液が含まれています。
針から毒液をまき散らし、他のハチを呼び寄せる可能性があります。
また、その周辺に巣があるかもしれません。
パニックを起こした子どもが大騒ぎをすると、却ってハチを刺激してしまいます。
大人が冷静になり、まずはその場から10~20m以上は離れてください。
次に、もし患部に針が残っていたら取り除かなければなりません。
このとき、指でつまむとハチの腹部の端についている毒袋から毒液がさらに押し出され、症状を悪化させる可能性があります。
ピンセットや毛抜きで患部の根元からつまむか、手で払いのけるようにします。
また、ハチの毒液は水に溶けやすいという特徴があります。
毒液を指で絞り出すようにしながら、大量の流水で洗い流します。
このとき、口で吸い出すのは厳禁です。
唾液に毒液が溶け、歯茎などから体内に入り口の中が痺れる危険があります。
薬を持参していれば患部に塗ってください。
薬は痛みや腫れなどの症状を和らげる作用がある、抗ヒスタミン系とステロイド系の成分を含むものがよいでしょう。
続いて、濡れたタオルや保冷剤などで患部を冷やします。
患部の血管が収縮し、毒が吸収されにくくなるほか、痛みなどの症状を和らげてくれます。
これらの処置を行っても症状が治まらないときや、塗り薬を持っていない、また心配な症状が見られれば、早めに皮膚科を受診してください。
局所症状だけのケースで、長い場合1~2週間症状が続くことがあります。
また、子どもは上手く症状を説明できないことが考えられますので配慮も必要です。
ハチに刺されないための予防策
レジャーや緑の多い場所に外出するときは、次の2点に留意しましょう。
1.黒い服やヒラヒラした服装は避け、白い服を着る
2.匂いのする物を持ち歩かない
ハチは黒い色やヒラヒラしたものに反応し、攻撃をする習性を持っています。
逆に、白い色や銀色にはあまり反応しません。
帽子をかぶって髪の毛が標的にならないようにしましょう。
できるだけ皮膚の露出を少なくすることも予防になります。
また、ハチは匂いや汗などの体臭にも敏感に反応します。
香水や整髪料は控え、開封した缶ジュースや食べ物の持ち歩きなどもオススメできません。
子どもはよく汗をかきますから、こまめに拭くことも対策のひとつです。
ちなみに、昔から言われる「ハチにはアンモニア(尿をかけると良い)」という処置は効果がないとされています。
年齢によっては子ども同士の外出も増えますが、ここでご紹介した応急処置を子どもたちで対応するのは難しいと思います。
山歩きや自然の多い場所に行くときは、子どもだけや一人で出かけるのは控えるよう、日ごろから注意を促し必ず成人の保護者が付き添いましょう。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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