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ストレスや精神疾患の影響
悪夢と関連の深い精神疾患は「PTSD:心的外傷後ストレス障害」でしょう。
PTSDは強いショックやストレスが記憶に残ってトラウマとなり、その後も何度も思い出して恐怖を感じるなどする心的障害です。
症状の一つに悪夢障害の持続が挙げられています。
また、PTSDに限っては、レム睡眠だけではなく深いノンレム睡眠時にも悪夢を見るという報告もあるようです。
大人の場合は、不安障害やうつ病、パーソナリティ障害などと悪夢の関連についても取り沙汰されています。
たとえば、長時間の過重労働で睡眠時間が削られ、それでもなかなか寝つけず、夜中に何度も目が覚めてしまう。
さらには、「リストラされるのでは」「降格される」「ローンが払えない」など、現実生活で不安を抱えていると、職場結合性のうつ病に陥ることは容易に想像できると思います。
ストレスからうつ病発症に至るプロセスでも、悪夢が出現する可能性が指摘されています。
いわば、悪夢はうつ病の前兆といえるのかもしれません。
しかしながら、それでは悪夢はただただ悪いだけなのかというと、そうとも限りません。
悪夢という形でストレスが発散される…という見解も見られ、必要以上に気にしすぎるのも考え物という側面もあります。
あまりに悪夢に悩ませられているケースでは、睡眠外来などの受診をおすすめします。
【参考】西多昌規『悪夢障害』(幻冬舎新書 2015年)
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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