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執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
女性が働きやすくなった社会的背景などもあいまって、共働き世帯が増加している日本。
しかし、家事の負担はいまだに妻に大きく偏っていると指摘されています。
家事にまつわるストレスの軽減は、円満な家庭を築くためのキーポイント。
ひいては、本当の意味で女性が活躍する時代になっていくための重要な要素ではないでしょうか。
日々発生する、何気ないこまごまとした「名もなき家事」に改めて着目すると、それぞれの家族の課題が見えてくると思います。
「名もなき家事」とは?
大和ハウス工業株式会社が2017年に実施した、家事に関するアンケート調査によると、男女間における意識のギャップが明確になったといいます。
家事の分担率について夫と妻それぞれに尋ねたところ、多くの妻は「夫1割:妻9割」と回答し、夫は「夫3割:妻7割」と回答したのです。
その意識の差がどこから生じているのか考察してみたところ、浮かび上がってきた言葉が「名もなき家事」でした。
「名もなき家事」とは、具体的には、たとえば「ゴミ出し」という家事について考えてみるとわかりやすいかもしれません。
「ゴミを指定日に集積所に出す」というタスクを達成するためには…
「家中にある捨てられそうな可燃ゴミをゴミ箱に集める」
「必要があれば複数のゴミ箱のゴミを一つの袋にまとめる」
「ついでにキッチンの流しやお風呂場の排水口に溜まったゴミも集める」
「ゴミ袋の空気を抜いて口を縛る」
「玄関に持って行く」
「ゴミ箱に新しいゴミ袋をセットする」
「キッチンやお風呂場の排水溝ネットもセットし、ついでにさっと水回りの掃除もする」
「準備ができたゴミ袋を集積所に持って行く」
これら一連の「名もなき」行為が伴います。
このなかで、たとえば最後の「準備のできたゴミ袋を集積所に持って行く」ことだけを夫が「ゴミ出し」と認識しているとしたらどうでしょう。
その前段階の雑多な、しかし決して省略できない作業をすべて一人で行った妻の負担感が、夫より大きいことは容易に想像できます。
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