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ニキビ いろいろなホルモンと皮脂の関係
思春期ニキビと関連のあるホルモンは「アンドロゲン」とよばれるホルモンです。アンドロゲンは「男性ホルモン」と呼ばれることもありますが、実は女性の身体の中にもあります(同じように、男性の身体の中にも「女性ホルモン」があります)。
思春期を迎えて、ある程度身体が成長すると、男性は精巣から、女性は卵巣からアンドロゲンが分泌されます。女性の場合、アンドロゲンは卵胞の卵胞上皮細胞で女性ホルモンの1つである卵胞ホルモン(エストロゲン)に変換されます。
アンドロゲンには、体毛を増やす、筋肉を増やす、性欲を亢進させる、などの働きがありますが、皮脂の分泌を促すという働きもあります。そのため、アンドロゲンの分泌がさかんになる思春期には、皮脂の分泌が増えて毛穴が詰まり、ニキビが出来やすくなるのです。
一方、エストロゲンは皮脂の分泌をおさえて肌のきめを整える働きがありますが、もう1つの女性ホルモン、黄体ホルモン(プロゲステロン)は、アンドロゲンと同様に皮脂の分泌を促す働きがあります。一般に女性は、性成熟期(20歳前後から45歳前後まで)にはニキビができにくいのですが、生理前になるとお肌が荒れたり、大人ニキビができることもあります。これは、エストロゲンの働きをプロゲステロンの働きが上回るためと考えられます。
思春期には、アンドロゲン、エストロゲン、プロゲステロンの3つのホルモンのバランスがまだ整っておらず、皮脂の分泌が増えてしまいます。さらに皮脂の分泌に身体(特に皮膚や毛穴)の成長が追い付かず、毛穴からの皮脂の排出が上手くいきません。これらの原因によって、10代のお肌にはニキビが出来やすいのです。
10代のニキビケア(予防法・対処法)
【予防法】
(1)バランスの良い食事をとる
「チョコレートの食べ過ぎでニキビができた」などのお話を聞くことがあるかもしれませんが、厳密には少し違います。ニキビは、皮膚の表面にあらわれる2~3週間前には、すでにその準備が始まっていますので、たくさんチョコレートを食べたからといって、翌日にニキビになるわけではありません。
ただし、甘いモノ、脂っこいものだけを好むような食生活は、先に挙げたホルモンのバランスを崩すこともありますので、やがてできるニキビの原因になることもあります。
(2)肌を洗いすぎない
また、ニキビは肌の汚れが原因で出来るわけでもありません。むしろ1日に何回も顔を洗う、あるいは強い洗顔料を使って皮脂を全て流してしまうと、どんどん皮脂を分泌させてしまうので逆効果です。
ただし、肌がよごれているとニキビに炎症がおこり、ニキビが赤くはれたりなど、悪化させることもありますので、肌に優しい洗顔料を使って、1日に2回程度洗顔し、汚れや余分な皮脂だけを洗い流しましょう。
(3)規則正しい生活をする、イライラやストレスをためない
10代の思春期ニキビを予防するためには、3つのホルモンのバランスが関係していますので、身体全体の成長を促すためにも、規則正しい生活を心がけましょう。イライラやストレスをためないためには、十分な睡眠をとることも必要です。
【対処法】
もしニキビができたらどうすればよいでしょう。
気になりますし、早く無くしてしまいたくなって、つぶしてしまう人もいるかもしれません。
でもこれはNGです。ニキビを指などでつぶすと、毛穴の炎症が悪化し、ニキビが大きくなったり、跡が残ることもあります。ニキビが出来たらむやみにつぶさず、清潔なお肌を保つようにしましょう
<執筆・監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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