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産後の体型維持 のポイント:出産前と出産後で違う運動の目的
妊娠中や出産直後からの運動の有効性が広く知られるようになりました。体型を維持するには運動習慣を途切れさせないことが大切です。運動時の注意点は時期によって異なります。
まず、妊娠4~5か月目を過ぎて安定期を迎えるまでは、気分転換やリラックスを目的とした軽い運動にとどめておくのがよいでしょう。マタニティーヨガを取り入れる場合も、安定期を過ぎてから医師に相談して始めてください。
ヨガというとストレッチやリラックスを連想する人がいますが、本格的なヨガは非常にハードで、腹圧がかかるポーズを多く含みます。出産前に行うべきでないのは、腹筋を収縮させる、体を強くひねる、体を強く反る、うつ伏せ姿勢で骨盤を圧迫する、などです。もちろんマタニティーヨガには、そうした危険なポーズは出てきません。
本格的な運動は出産後に始めます。出産前の運動は精神的な安定と、楽に出産するためのコンディショニングととらえましょう。骨盤周りの筋肉を程よく鍛えて柔軟性を保ち、腰痛や肩こりなどの体の不調を回避するのが目的です。また、基本的には避けるべき腹圧ですが、出産時に子宮口を開くには腹圧を必要とします。腹式呼吸や腹筋の収縮も、過度にならなければ有用です。
産後の体型維持 :出産後、守りの胸式呼吸から攻めの胸式呼吸へ
出産後は、禁忌姿勢もなくなり、いよいよ鍛える目的でトレーニングを開始します。自分の好きなものを選び、できれば専門家のアドバイスのもとで行いましょう。
ところで、妊娠中にはお腹を引っ込めたままでの生活が奨励されていましたが、出産後はどのようにすればよいでしょう? この問への回答は、「一層励むべし!」です。ただし、レベルが変わります。妊娠中は腹圧をかけない守りの胸式呼吸でしたが、ここからは体を引き締める攻めの胸式呼吸です。
お腹は引っ込めたまま胸で大きく呼吸します。そして、この状態のまま腹筋を締めて、キープ! 胸での呼吸を続けますが、決してお腹を膨らませることはありません。ヨガを例にとると、多くの流儀が腹式呼吸を取り入れる中で、アシュタンガヨガは徹底して腹筋を締めた胸式呼吸を行うことで知られています。
もし、あなたが出産後も体型を維持したいと考えるなら、アシュタンガヨガのような呼吸を取り入れてみてはいかがでしょう。腹筋を締めた胸式呼吸は日常生活でも無理なく続けることができ、美しい姿での社会復帰を手助けしてくれるはずです。
監修:岡本良平医師(東京医科歯科大学名誉教授)
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