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レジでの「 年齢確認 」 未成年者喫煙禁止法の意義とは?
「未成年をタバコの害から守る」ことを主な目的として1900(明治33)年に施行された未成年者喫煙禁止法ですが、もともと喫煙した未成年者本人への罰則規定はなく、親や販売者への罰則(罰金)のみが定められています。また、2001年におこなわれた法改正によって、同法では、販売者がタバコを買う客に対して「年齢確認」をすることが義務づけられるようになりました。
こうした流れのなか、未成年への喫煙防止対策として2008年に導入されたのが、成人であることを確認した上でカードを発行する「taspo(タスポ)」です。タスポの導入により、未成年者が自動販売機でタバコを購入することは極めて難しくなったため、未成年の喫煙防止に一定の効果はあったと見ることができます。
しかし一方で、タスポの導入以降コンビニでの「年齢確認」をめぐるトラブルが増えたという指摘もあり、自販機でタバコを買えなくなった未成年者が、コンビニでタバコを購入しているケースも懸念されます。
レジでの「 年齢確認 」小売店のプレッシャーをどう回避するか
また、タッチパネル式の年齢確認については、レジを担当する店員へのプレッシャーも問題となっています。タバコや酒の販売をめぐる未成年者から店員への恫喝や暴力行為、あるいは未成年者以外からの年齢確認行為に対するクレームなどが多発する現在、こうした事例への対応は小売店だけでは難しい状況です。
今回の事件のような「販売者への罰則規定」も重要ですが、健康へのリスクを高める可能性のある「未成年者の喫煙」を防ぐためには、店頭でもタスポや写真付きの身分証明書の提示を必須化するなどの対策や、それに伴う法整備、警察や行政と小売店の間でのスムーズな連携の推進が求められているといえるでしょう。また、喫煙のリスクについて未成年に対する啓発活動を行う事も重要でしょう。
<執筆者プロフィール>
井澤佑治(いざわ・ゆうじ) ライター/ダンサー/舞踏家
通販メーカーのコピーライターとして、健康食品などの広告を数多く手がけたのちに、ダンサーとして独立。国内外で公演やワークショップ活動を展開しつつ、身体操作や食事療法などさまざまな心身の健康法を探究する。現在はダンスを切り口に、高齢者への体操指導、障がいや精神疾患を持つ人を対象としたセラピー、発達障害児の療育、LGBTの支援などにも携わっている。
<参考>
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M33/M33HO033.html
(未成年者喫煙禁止法)
http://www.taspo.jp/taspo/
(taspo公式サイト)
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