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初期状態では自覚がない!
C子さんのような例は、決して特別なものではありません。糖尿病は、健診などで「血糖値が高い」と指摘される初期の状態では、全くと言っていいほど自覚する症状がありません。しかし、血糖値の高い状態が続くと、血管が次第にダメージを受け、全身の細い血管の障害が進みます。その結果起こる合併症こそが、糖尿病の本当の怖さなのです。
「本当の糖尿病の怖さ」とは
C子さんに起こった神経障害は、3大合併症の中で最も早く起こりやすいものです。糖尿病を発症してから5年以内に発症することが多く、手足のしびれで病院を受診して、初めて糖尿病と診断されることもあります。C子さんのようにケガや火傷に気づかずにいた場合、細菌に感染して炎症を起こしたり、そもそも末端の細い血管は血液が滞っていますから、治りにくい状態にもなっていて、壊死してしまうのです。
神経障害の次に起こりやすいのは糖尿病性網膜症です。こちらも原因としては、細い血管の障害です。網膜の血管が変形したり詰まったりして酸素が行き渡らなくなることで網膜が損傷を受けます。一度視力を失ってしまうと、基本的にはもとに戻すことはできないため、進行を抑える治療を行います。具合によっては失明に至ることも。実際に、成人の失明患者の一番の原因は糖尿病性網膜症です。糖尿病になって7~8年ほどで発症すると言われていますが、かなり進行してから症状が出るため「まだ見えるから大丈夫」という考えは厳禁。定期検診を受けることが重要です。
さらに、糖尿病発症から10年ほど経つと、糖尿病性腎症を発症することが多くなります。これは、進行すると腎臓の機能が低下し、身体の老廃物を尿として出すことが出来ない状態になるため、透析を行う必要が出てきます。透析は血液中の老廃物を、専用の機械を使って体外でろ過する治療で、一般的な方法としては、「1回4時間程かかる透析を週に3回、一生」続けることになります。
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