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今月11日の「成人の日」に、東京ディズニーランドでおこなわれた千葉県浦安市の成人式における市長の発言が波紋を呼んでいます。
これは、浦安市長が新成人に向けたあいさつのなかで、「日本産科婦人科学会のデータ」だとして、「出産適齢期は18歳から26歳を指すそうだ」と述べたうえで、「人口減少のままで今の日本の社会、地域社会は成り立たない。若い皆さん方に大いに期待したい」などと述べたことによるもの。
この発言については、一部で肯定的な意見もみられましたが、インターネット上では、おもに女性たちから「大きなお世話」「時代錯誤」「産みたくなる環境を整備するのが先」といった批判が飛び出す事態となりました。
新成人は1970年の半分以下に
同市長は祝辞のなかで「新成人の数が団塊の世代に比べ半減している」と指摘したとのことですが、総務省統計局の発表によると、団塊の世代と呼ばれる「第一次ベビーブーム」の時期に生まれた人々が成人に達した1970年に246万人だった新成人の人口は、2016年1月1日の時点では121万人と、たしかに半分以下に減少しています。
その一方で、総人口における65歳以上の高齢者の割合を示す「高齢化率」は上昇をつづけており、昨年の「敬老の日」には、日本の高齢化率が26.7%となり、80歳以上の高齢者の人口が1千万人を超えたことも報じられました。冒頭に述べた浦安市長の発言は、こうした国内の状況を憂慮してのものと思われますが、発言には「ならばどうすればいいのか」という対策が欠けており、新成人たちにただ子どもを産むように押しつけているような印象を与えたことも、批判が集中した一因といえるでしょう。
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