手洗いは「水」?「お湯」? “肌への負担”で考える

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手洗いは「水」?「お湯」? “肌への負担”で考える

公開日時

執筆者:鈴木ちひろ(看護師)
監修医:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
 

あなたは手を洗う時、水を使いますか?お湯を使いますか?

 

寒い季節になると、手荒れがひどくなる、といった経験をお持ちの方の中には、「冷たい・寒い=手荒れ」と考え、あえてお湯を使用する人もいると聞きます。また、冬場は水を使うのもなかなかしんどいので、お湯を使う機会が増える方も多いと思います。

 

果たして、手荒れ防止の観点からすると、「水」と「お湯」どちらが良いのでしょうか?
 
 

なぜ手荒れは起こる?

 
そもそもお肌はどのような状態になると、手荒れするのでしょうか?
皮膚は、最も外側から内側に向かって、表皮・真皮・皮下組織と層になっていますが、なかでもスキンケアで最も重要な部分は表皮です。

 

表皮部分に注目すると、まず肌の表面は、身体から分泌される皮脂等で出来た皮脂膜で覆われ、その下に角層、次にレンガのように層を成す角質細胞があり、細胞の層の間を、角質細胞間脂質が埋めています。
 
普段、皮脂膜が、肌内部の水分が逃げないよう蓋の役割を果たすと同時に、外的刺激から肌を守り、また、角質細胞内にあるNMF(天然保湿因子)や角質細胞間脂質(セラミド等)が、肌の内部の水分をキープしています。これを「肌のバリア機能」と言います。
実はこの「肌のバリア機能」を崩す要因に、お湯による手洗いや、冬場の乾燥があるのです。
 
お湯は、容易に皮脂を溶かして洗い流してしまいます。加えて、手洗いや炊事の際に使用する洗浄剤も、やはり皮脂まで取り除いてしまいがちです。
さらに、湿度が低く、空気が乾燥している冬場は、お肌の内部の水分も蒸発しやすくなっています。すると、お肌の乾燥がすすみ、手荒れを引き起こしてしまうのです。
 
 

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