(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
犬と人間の絆 :犬と人間は最良の友達!?
ヒトとイヌの共生は1万5千年から3万年前に始まるといわれています。
これまで犬は人間の最良の友だと言われてきましたが、両者の絆について科学的な研究対象として扱われることはありませんでした。
今回の研究では、30組の飼い主と犬のペアを集め、30分間の交流後、両者の尿に含まれるオキシトシン濃度変化を調べました。
その結果、犬が飼い主をよく見つめ、それによって両者のやりとりが喚起されるペアでは、飼い主の尿中オキシトシンが上昇することが明らかになりました。また、犬の視線を遮断された飼い主からは、尿中オキシトシン濃度の上昇がなくなることもわかりました。
このことから、飼い主にとっては犬とのアイコンタクト、犬にとっては飼い主と触れ合うことで「オキシトシン」が体内で増え、親近感を高める効果があると考えられます。
同様の実験をヒトに慣れたオオカミと飼い主11組のペアで行ったところ、オオカミはじゃれついても視線を合わせることはなく、それぞれのオキシトシン値は変わらなかったといいます。つまり、ヒトとイヌと絆は、進化の過程でイヌが特異的に獲得したものであることも明らかになりました。
近年、比較認知科学においてイヌの特異的な能力が注目されるようになってきました。戦略的知能は類人猿であるチンパンジーのほうが優れていますが、「心のありよう」がヒトに近いのはむしろ犬であることが、最新の研究によって明らかになりつつあります。
犬と人間が最良の友達であること、それが科学的にも証明されたということは、犬好きの人、犬と暮らす人にとって喜ばしいことですね!
【参考】
麻布大学プレスリリース
http://www.azabu-u.ac.jp/topics/pdf/150417_press.pdf
スポンサーリンク