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「逆転は解消していない」という意見も
そもそも、この「逆転現象」が問題視されているのは、生活保護の受給額が最低賃金を上回ってしまった場合、受給者が「自立する意欲を損なうため」といわれています。
しかし、実際の金額を見てみると、逆転現象が解消したとはいえ、最低賃金が生活保護を上回っている差額は時給にして9円~117円と極めて少ないものにとどまっているのが現状です(2014年度の最低賃金と、2013年度の生活保護で比較した結果)。
また、医療費の免除などの措置が受けられる生活保護と比べると、パートやアルバイトといった非正規雇用の場合は健康保険や年金なども手取り収入から支払わなければならず、こうしたことからインターネットなどには「逆転は解消していない」とする意見もあがっています。
日本の最低賃金は安すぎる?
2015年に経済協力開発機構(OECD)が27カ国を対象にまとめた調査によると、世界で「もっとも最低賃金が高い国」はオーストラリアで時給15.96豪州ドル(約1530円)。
以下、ルクセンブルグ、ベルギー、アイルランドとつづき、フランスが時給8.24ドル(約1020円)で5位となりました。ちなみに、連邦政府が時給7.25ドル(約897円)の最低賃金を設定しているアメリカは11位でしたが、州ごとに最低賃金の異なるアメリカでは、全米の州の半分は連邦政府の定める最低賃金を上回る額を指示しているとのことです。
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