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“ちょっと生理痛が強い”25歳の子が10人いたら、6人は子宮内膜症!?
年代別によく見られる症例をご紹介します。
A子さんのケース
月経困難症は昔からあったけれど、25歳で卵巣のう腫が見つかる。生理痛や卵巣のう腫の原因は、実は子宮内膜症だった。現在は結婚して妊娠を希望しているが、子宮内膜症が原因の不妊症で、なかなか授からない。治療は、子宮内膜症の手術を受けてから、不妊治療を継続中。
B子さんのケース
高校生の頃より生理中はもとより、生理以外のときも下腹部の鈍痛に悩まされてきた。20代で子宮筋腫(多発筋腫:筋腫が複数できる)が見つかり、子宮筋腫だけを採る手術をした。しかし35歳で筋腫が再発。最初にできた筋腫より大きく、不妊治療をしながら、再手術の時期を考え中。
「外来で診察を受ける方をみると、“生理痛がちょっと強い” 25歳の方が10人いたら、そのうち6人はかなり進行してしまった子宮内膜症というケースに遭遇します。将来の妊娠・出産のためにも、生理痛などの症状があったり、昼間でも夜用のナプキンを使わないといけないほど経血量が多いことがあれば、放置せずに受診することが大切です。
また「子宮内膜症のうち2割は、まったく症状がないといわれます」と太田先生。
年に一度は検診をかねて、婦人科でチェックを受けたいですね。
少しでも痛みがあれば婦人科へGO!
月経困難症というと、「死ぬほど痛くないと診てもらえないのでは?」と思い込んでいる人がいますが、そんなことはありません。生活に支障がある痛みやそれに伴う症状があれば、立派な月経困難症で治療の対象になります。
生理痛があっても治療を受けずにガマンしたり、仕事を休んだりすることで、日本全体での1年間の経済損失額は6828億円にものぼると推計されています。この金額は沖縄県の年間予算額にほぼ匹敵します。
生理痛は、女性の生活の質をとても低下させ、症状によっては将来の不妊にもつながりかねません。“生理痛ぐらいで・・・”と思わず、気軽に婦人科で相談してみてください。
<監修者プロフィール>
太田 郁子(おおた・いくこ)
倉敷平成病院婦人科医長、医学博士、日本子宮内膜症啓発会議実行委員
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