(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
なぜ同一化は起こる?
このような同一化が起こる理由、それに関係しているのが「防衛機制(ぼうえいきせい)」です。私たちには、欲求不満などで社会にうまく適応することができなくなったときに働く自我のメカニズムが存在しています。
これを専門的には「防衛機制(ぼうえいきせい)」といい、「同一化」はこの防衛機制のひとつとされています。
そもそも同一化は自我の発達に関係しているもので、幼少期の同一化の相手は親であるといわれています。成長段階で子どもはしばしば親の真似をしながら、さまざまなことを学んでいきますが、この過程で同一化も行われているのです。
そしてそれを繰り返しながら、自分の内面も成長させていきます。
そして、さらに成長して思春期以降になると、人気歌手やアイドルの髪型や服装をまねしたりすることが増えてきます。これも相手への憧れから起こる一種の同一化といえます。
もうひとつ関係する「類似性の法則」
恋愛における同一化の場合には、「類似性の法則」も関係していると考えられます。
「類は友を呼ぶ」ということわざもありますが、私たちは恋愛に限らず、共通点がある相手を好むという傾向があります。
たとえば、初対面の人でも出身地や趣味など、相手との共通点を見つけられると「この人とうまくやっていけそう」という感じがしちゃいませんか?
恋愛でも同様に、ある調査では「相手を好きになる理由」を自由に答えてもらったところ、類似性や合致性を理由に挙げた回答者が全体の4分の1を占めるという結果が出ました。この結果が示しているように、私たちは知らずしらず自分と似た相手を好む傾向があるようです。
ですから恋愛における同一化は、潜在意識の中で、「相手と似ている好みに近づいて自分を好きになってもらいたい」という意識がはたらいているとも言えるでしょう。
スポンサーリンク